IDC Japanは12月25日、国内オフィスプリント環境の導入判断者に対して、プリント環境の課題、マネージドプリントサービス(MPS: Managed Print Services)の導入状況や導入意思、モバイルやクラウドへの対応状況などを調査した結果を発表した。

同調査では、オフィスプリント環境の導入判断に関係するユーザー716人に対して、プリント環境の課題、MPSの認知、MPS導入判断基準、MPSの導入状況や満足度、モバイル/クラウドの導入状況等についてWebアンケートを実施し、結果を分析した。

調査結果によると、MPSを理解している回答者は全体の27.1%にとどまっており、特に、従業員規模99人以下の小規模企業での認知が低い(19.7%)ことがわかった。

MPS導入の主な理由はコスト削減だが、セキュリティ、社内ガバナンス、社内工数削減、環境負荷低減といった点も理由として挙げられている。

MPSを導入している企業のMPSに対する満足度は比較的高く、50.5%の回答者が満足または非常に満足と回答。MPS導入企業のベンダーロイヤリティは高く、40.8%もの回答者が現MPSベンダーとの再契約を望んでいることがわかった。

MPS導入によって、ベンダーがユーザー企業と強固な関係を築くことができることが推察され、MPSの総合満足度は高い。また、保守、消耗品といった従来から存在するサービスに対する評価が高く(それぞれ50.0%、52.1%)、アセスメントや定期レポートといったMPSの特徴的なサービスに対する評価が相対的に低く(それぞれ39.8%、40.8%)なっている。

MPSを導入済のユーザー企業はモバイルプリントの導入率が55.5%であるのに対し、MPSを導入する可能性が無いユーザー企業の導入率は27.1%にとどまっている。また、MPSを導入済であるユーザー企業のクラウドストレージサービスの導入率は30.3%であるのに対し、MPS導入可能性が無いユーザー企業の導入率はわずか9.3%だった。

IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田 英次氏は、「MPSの認知はまだ低いものの、導入済企業のMPSへの満足度は高い。再契約を希望する率も高く、MPSがユーザー企業の高いベンダーロイヤリティを維持するために有効であることがわかる。一方、アセスメントや定期レポートといったMPSの主要提供価値への満足度が相対的に低いことは懸念材料であり、ベンダーには継続的な価値訴求が求められる」とコメントしている。