三菱電機は12月25日、SiCトランジスタとSiCダイオードを用いたフルSiCパワーモジュール(3.3kV/1500A定格)を適用したDC1500V架線対応の鉄道車両用インバータ装置を製品化したことを発表した。

同製品を用いることで、従来のIGBTパワーモジュール比で発生損失を約55%低減することが可能となるほか、全速度領域での電力回生ブレーキの実現により機械ブレーキ損失がなくなり回生電力量が増加でき、電動機も含めた従来のIGBTを用いた車両システムと比較して約30%の省エネを実現することが可能だという。

大容量フルSiCパワーモジュール適用鉄道車両用インバータ装置

また、従来のIGBT適用インバータ比で体積・重量とも約65%低減可能なほか、ダイオードをSiC化したパワーモジュール適用装置と比較しても、体積・重量ともに約30%低減することができるという。

従来のIGBTパワーモジュール(左)と、今回開発したフルSiCパワーモジュール(右)の回路図比較

なお同社では、今回開発した大容量フルSiCパワーモジュールの適用により増加できる回生電力は、駅舎補助電源装置との組み合せによる駅舎への供給などで有効活用できるため、鉄道システムトータルでの省エネにつながると説明している。