STMicroelectronicsは12月24日、太陽電池や熱電発電素子(TEG:Thermo-Electric Generator)を電源とする機器向けにDC/DCコンバータ「SPV1050」を発表した。

同製品は、屋内外で太陽・熱エネルギーを利用するコンスーマ機器や産業機器に適している。競合製品よりも機能が豊富なため、小型化と部材コストの低減に寄与する。内蔵された1.8V/3.3V出力のレギュレータは、同じアプリケーションで併用されるマイコンやワイヤレストランスミッタに部品を追加せずに給電できる。さらに、最大電力点追従(MPPT)機能が環境発電を常時最適化する。また、バッテリ充電回路は、リチウムイオンやリチウムポリマー、固体リチウム薄膜型、NiMH、NiCd、スーパーキャパシタなど様々なバッテリに対応する。

内蔵されているバックブーストコンバータは、180mV~8Vと広い入力電圧範囲に対応しているため、熱電発電素子や屋内外で使用する太陽光発電モジュールに接続できる。90%の平均電力変換効率により、万が一入力電力レベルが低い場合でも高速充電できる。加えて、MPPTは最小でも90%の高精度を達成しているため、太陽光発電または熱電式発電からのエネルギー抽出量を最大化する。この他、内蔵のバッテリ充電用コントローラは、高精度な低電圧閾値および充電終了閾値を用いた安全な制御ロジックを提供し、過放電を防いでバッテリの長寿命化に寄与する。

なお、同製品は、3mm×3mm×1mmサイズの20リードQFNパッケージ、20バンプWLCSP、ウェハの3形態で提供される。価格は1000個購入時で約1.15ドル。すでにサンプル出荷が開始されており、量産出荷は2014年第1四半期より開始される予定。

STの太陽電池など向けDC/DCコンバータ「SPV1050」