スペインのデータ保護局(AEPD)は12月19日(現地時間)、米Googleに対しデータプライバシー法を侵害しているとして90万ユーロの罰金を命じた。Googleが2012年春に発表したユーザーデータの新ポリシーに関するもので、ユーザーに明示的に示していない点も批判している。

Googleが2012年に発表した新しいデータポリシーのもと、Googleはユーザーのデータを自社サービスを縦断的に共有することになっている。「ユーザーの利便性を改善する」というのがGoogleの説明だが、プライバシーの観点ではユーザーが自分のデータを管理できなくなると指摘されていた。

Googleが新ポリシーを導入したことを受け、スペインのデータ保護当局AEPD(La Agencia Espanola de Proteccion de Datos)は自国のデータプライバシー法に照らし合わせて調査を開始した。

調査では、Googleのサービスにログオンして利用するユーザー、Googleのサービスを要求したわけではないがGoogleが管理する要素を含むページにアクセスする"パッシブユーザー"の両方の例を調べた。その結果、Googleは個人情報の保護権利を深刻に侵害しているとの結論に至ったという。

新ポリシーそのものが法に反するとしているほか、Googleがユーザーに対し、収集する情報とその目的を明示していないことなども指摘している。また、他のサービスから収集したデータと組み合わせること、無期限にデータを保持すること、ユーザーが権利を行使するのを難しくしていることも挙げている。さまざまなサービスを通じて収集するデータの量はユーザーの想定を超えているという見解も示している。

Googleが2012年に新ポリシーを導入以来、欧州では約6つの国で調査が行われている。その1つであるオランダは11月末、やはりGoogleは自国法に違反しているとの見解を出したばかりだ。