米連邦通信委員会(FCC)は12月12日(現地時間)、米国主要携帯キャリア5社(Verizon Wireless、AT&T、Sprint、T-Mobile、US Cellular)が携帯端末のSIMロック解除の共通ポリシー設定で合意したと発表した。具体的な開始時期は不明なものの、プリペイド端末を含むロック解除のポリシーが設定されており、米国内での端末の融通性が向上しそうだ。

同件に関する声明は業界団体CTIAプレジデント兼CEOのSteve Largent氏の署名で出されている(PDF文書)。制定された6つのポリシーの概要は下記の通り。

  1. 開示: 個々のキャリアはポストペイド/プリペイドのSIMロック解除に関するポリシーを明確にWebサイト上に掲示すること

  2. ポストペイドのSIMロック解除: 携帯キャリアは現在/過去の顧客の要求に対し、必要な条件を満たしている(契約破棄金の支払いを完了しているなど)ことでロック解除に応じること

  3. プリペイドのSIMロック解除: 十分な時間や支払い、利用要件を満たしていた場合、最初にアクティベーションが行われてから1年以降のSIMロック解除に応じる

  4. 通知: もし追加費用なしでSIMロック解除が可能な場合、キャリアはその旨をユーザーに対して通知しなければならない。ただしキャリアはSIMロック解除に対する費用請求権を保持している

  5. 応答時間: キャリアがデバイスのSIMロック解除に関する判断から施行まで2営業日以内とする。またロック解除ができない場合や、2営業日以上の期間を必要とする場合は、その旨を説明しなければならない

  6. 軍関係者に対する解除ポリシー

ポイントとしては、ポストペイド契約において「過去の顧客(former customers)」が解除対象に含まれていること、プリペイド契約における解除期間が1年と明言されていること、そして営業日が2日以内とされていることの3つだ。一般に、同じ端末で継続契約している状態でなければSIMロック解除に応じてもらえない形態だったが、2年の契約を満了した端末をSIMロック解除して、そのまま別の形で余生を送らせることが容易になった。また以前に筆者がAT&Tで端末のSIMロック解除を依頼したとき、営業日で10日ほど、最大2週間以上の期間を必要としていたが、これが大幅に短縮されることになる。もちろん盗品等の取り扱いはチェックされるため、正規の手段で入手して契約条件を満了した端末のみが対象となるが、「乗り換えた後の端末は家の倉庫の片隅で眠ったまま」ということはなくなるだろう。

(記事提供:AndroWire編集部)