相続税調査の現状について 質問内容や具体的調査内容

 

《1》調査の日程

標準的な税務調査の日程は、臨宅による調査が2日間行われ、問題点があればそれらを整理し、どの項目について修正申告等の対象とするか等の確認のために、話し合いが半日程度行われるケースが多いと思われます。

《2》具体的な調査手法

任意調査では、机上調査いわゆる税務行政庁の内部にあって申告書や提出資料などの内容を検討する調査で70%。実際の実地調査30%の割合で調査が行われていると思われます。調査官は世間話の中で次のような項目についてさりげなく質問をしてきます。一般的な質問とその回答から引き出そうとしているねらいや確認項目は、以下のようなものと思われます。


1.質問内容等
(1)被相続人の死亡原因について

事故死か病死の区別、療養期間は長かったか否か、意思能力や行為能力の確認。

(2)被相続人の経歴や職歴について

財産の推定を行います。

(3)被相続人の趣味について

趣味に関連する財産があるのではないかと推測します。

(4)被相続人の財産は生前、誰が管理していたのか

管理者の預金と被相続人の預金との区分ができているか等の確認(名義預金等)。

(5)相続人の家族の職業や推定所得について

相続人の収入の確認をし、相続人の預金等の有高のバランスを検討します。

(6)相続税の納税資金の支出はどこから

相続税の納税資金の出所を確認し、申告漏れの金融資産などの発見の端緒とします。

(7)その他の金融資産等はないかなど


2.具体的調査内容等
(1)室内の状況などをさりげなく観察し、銀行や証券会社の名前の入ったカレンダーなどがないかチェックします。カレンダーなどに表示されている金融機関等の預貯金口座があるか否か相続税の申告資料とのチェックが行われます。

(2)不動産の権利書・印鑑その他重要書類等の保管場所を確認し、それらが金庫の中に保管されている場合には、相続人に金庫を開けさせて中を調べます。調査官が勝手に金庫の中を確認したりはしませんが、相続人に任意に提示するよう粘り強く説得します。メモや計算書類などはきちんと整理しておくことが賢明です。

(3)印鑑などの確認を行います。印鑑の空押しで印影が写る場合は最近使用したと推定できます。すべての印鑑の印影を持ち帰り、名義預金等の判定を行う際の材料となります。相続人等の印鑑があると、誤解を生じやすいので、事前の整理が大切です。

(4)香典帳、芳名録、年賀状、その他メモ類があればそれらを確認します。申告されていない財産がないかどうか、多方面の資料から確認します。年賀状なども申告漏れの金融機関をチェックする資料となります。

※現在、相続税の実地調査において重点的な調査対象となるのは金融資産となります。土地家屋等はその性質上、相続財産の計上漏れは考えにくいため、修正があるとしても、評価方法の誤りによる過少申告と認定されることがほとんどかと思われます。


平成23事務年度における相続税調査の状況〔国税庁資料〕
相続税の実地調査については、平成21年中及び平成22年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施。(執筆者:内宮 慶之)

実地調査の件数は13,787件(前事務年度13,668件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は11,159件(前事務年度11,276件)で、非違割合は80.9%(前事務年度82.5%)。申告漏れ課税価格は3,993億円(前事務年度3,994億円)で、実地調査1件当たりでは2,896万円(前事務年度2,922万円)。

追徴税額(加算税を含む。)は757億円(前事務年度797億円)で、実地調査1件当たりでは549万円(前事務年度583万円)。重加算税の賦課件数は1,569件(前事務年度1,897件)、賦課割合は14.1%(前事務年度16.8%)。


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