独SAPは12月11日、SaaS形式で提供する中規模企業向けのERPソリューション「SAP Business ByDesign」の最新版を発表した。「SAP HANA」対応をはじめ、モバイルから活用できるアプリも登場した。日本語版も提供される。

SAP Business ByDesignはSAPのSaaS製品で、会計管理、購買管理、生産管理、販売・在庫管理などを含むERPスイート。最初に発表されたのは2007年で、2010年に一部市場で提供を開始した。クラウド分野でSAPはこのほか、小規模向けの「SAP Business one」、人事管理のSuccessFactorsなど各業務に特化したLOBのクラウドソリューションも提供する。

最新版では、同社のインメモリ技術SAP HANA上で稼働するようになった。トランザクション処理と分析処理の両方を高速にするHANAの特性を活用でき、効率を改善できるという。モバイルではiPadアプリ「SAP Business in Focus」を発表、これを利用してタブレット上で財務情報を視覚化したり、企業のソーシャルネットワーク上でコラボレーションしたり、業績情報をリアルタイムに取得できる。

Business ByDesignのHANA対応は、SAPが今年秋に計画を明らかにしていたもの。同社はこれにあたり、Business ByDesignチームの一部をHANA Cloud Platformに移動させて作業を行ってきた。インメモリデータベースとしてスタートしたHANAは、SAPの土台技術としても発展しており、クラウドは最終的にすべてHANAベースとなる計画も発表されている。

日本ではSAPジャパンが8月、日本語版の提供を11月に開始予定であることが発表されている。