日立製作所は、海外におけるプラントなどの現場作業を監督者がいる遠隔地から支援することを目的として、AR(Augmented Reality : 拡張現実感)および3D(3次元)データ処理を用いた遠隔地作業支援技術を開発したと発表した。

開発した遠隔地作業支援技術は、3Dデータ処理を用いて、作業者と監督者がリアルタイムで作業の進捗状況を共有し、ARによって作業者の視野に監督者からの指示内容を直接表示することができるというもの。

今回、日立はARおよび3Dデータ処理を用いた作業支援技術を開発し、プラント現場の複雑な構造物を対象に作業者と監督者がリアルタイムに高い精度で進捗状況を共有し、監督者からの指示内容を作業者に直接表示する技術を開発した。

具体的には、設計図および作業工程情報から生成する作業完了時の3Dデータと、現場で取得した3Dデータの差分を高速に抽出する技術を開発。これによって、適切な状態で作業が進捗しているかをリアルタイム(1~2秒)で判定することが可能となる。

また、現場作業者が見ている視野の映像に作業指示や関連情報を重ねて表示したAR映像を、現場作業者と遠隔地の監督者がリアルタイムで共有できるようにし、AR映像中において作業対象となっている設備や部品の画像を検索キーとして、監督者がマニュアルや仕様書などを検索し、関連情報を抽出してAR映像に重ねて作業者に表示することができるようにした。

同社では今後、開発技術の実証研究を重ね、企業の海外展開にともなう遠隔地作業支援に適用していく予定。