調査会社の米IDCは12月4日(米国時間)、2014年に向けたITC市場の予測を発表した。モバイル、クラウド、ソーシャルなどのトレンドを受けて、CIOになにが求められているのかが分かる内容となっている。

同社がCIO向けに行ったWebセミナーで明らかにしたもの。IDCではクラウド、ビックデータ、ソーシャル、モバイルの4分野が新しいプラットフォーム("第3のプラットフォーム")になると予測しており、このプラットフォームを活用することが重要になると提言している。発表した2014年の動向予測も、この文脈に沿ったものとなる。

「第3のプラットフォームが成熟に向かっており、ITに求められるスキルと役割が完全に変わってくる。その多くが、まだ投資されていない分野だ」と同社のアナリストは述べている。10の予想は以下の通り。

  1. 今後2年間でCIOの70%は直接ITを管理するという現在の役割から、イノベーションを共同で行うパートナーに変化する。
  2. Cレベルの責任者が提起した課題に対して、戦略的計画を共同で組むパートナーになることができるCIOは、2017年前まで40%を占めるに過ぎない。
  3. CIOの70%はエンタープライズをリスクにさらす比率を高める。
  4. 2017年まで、企業のモバイル対策により60%のCIOがアジャイルなアーキテクチャをサポートする。
  5. 人口構成に占めるモバイルを使う若年顧客が増えることで、BtoC企業のCIOの80%が2015年までにソーシャルネットワークとの統合を進める。
  6. 2015年までに、"第3のプラットフォーム"のためにCIOの60%がエンタープライズアーキテクチャ(EA)を採用するが、効果的にエンタープライズアーキテクチャを実装できるのは40%にとどまる。
  7. 2015年までにCIOの60%が脆弱なレガシーシステムに充てる予算はセキュリティ予算全体の30~40%であり、これは脅威評価には不十分。
  8. 2017年までに第3のプラットフォームを受け入れるための投資にあたって、CIOの60%がインフラと運用コストの削減を迫られる。
  9. 2016年までにIT予算の80%がサービス統合に関連したものとなる。
  10. 2018年までに、第3のプラットフォームを実現するIT技術の受け入れにより、ITの役割の90%が再定義されることになる。