STMicroelectronicsは、スムーズでテールレスな(テール電流の出ない)ターンオフ特性、最低1.8Vの低飽和電圧、および最大175℃の動作接合部温度を特徴とした600V耐圧トレンチゲート・フィールドストップIGBT「Vシリーズ」を発表した。

同シリーズは、従来品のターンオフ時の電流テールを除去することで、スイッチング損失の低減と最大動作周波数を高めているほか、超薄型ダイによるスイッチング性能の確保とともに、放熱性の向上が果たされている。また、独自に最適化されたトレンチゲート・フィールドストップ・プロセスが、高い熱伝導性と最大175℃の接合部温度、および飽和電圧などのパラメータを高い精度で提供しており、これにより、複数のIGBTを安全に並列接続し、電流密度と導通損失を低く抑えることが可能になるという。

さらに、堅牢で、高いdV/dt耐量を特徴としているほか、同一パッケージの高速ソフト・リカバリ・ダイオードにより、ターンオン時の電力損失を最小化。特定のアプリケーション向けには、ダイオードを搭載していない製品も提供されるという。

なお同シリーズは、定格電流20A~80A品が現在量産中で、TO-3P/TO-3PF/TO-220/TO-220FP/TO-247/D2PAKの各種パッケージにて提供されている。1000個購入時の単価は、TO-247パッケージで提供される「STGW40V60DF(定格電流40A、600V耐圧)」で2.80ドルだという。

600V耐圧トレンチゲート・フィールドストップIGBT「Vシリーズ」のパッケージイメージ