Andy Rubin氏

"Androidの父"として知られるAndy Rubin氏が、Googleで新たにロボティクス・チームを率いていることが明らかになった。米国時間の12月4日にニューヨークタイムス紙が報じ、Google+でGoogle CEOのLarry Page氏が認めた。

Rubin氏は今年3月にGoogleのAndroid開発チームの責任者を退任した。その際にPage氏が「Googleで新章をスタートさせた。新たなムーンショット(moonshot)を期待する」とコメントしたことから、Rubin氏の新しい取り組みはMoonshotプロジェクトと呼ばれていたものの、5月のGoogle I/Oを経てこれまで内容は不明なままだった。

Rubin氏のチームが手がけるロボットは、電子機器の組み立てなどの製造分野や、Amazon.comと競合するような小売分野向けだという。小売分野では配送センターや倉庫での商品の積み卸しや管理などが考えられるが、Googleは無人カーの開発を進めており、ニューヨークタイムスの記事はロボットが宅配に活用される可能性にも言及している。米国ではCBSの報道番組60 Minutesで、Amazon.comのCEO Jeff Bezos氏が小型無人機を使ってユーザーに商品を配送する構想を明らかにしたばかり。Googleはローカルストアから商品を即日配送するGoogle Shopping Expressというサービスを米国の一部の地域で試験的に提供しており、将来的にロボット宅配サービスでAmazonとGoogleが競争する可能性が出てきた。

Googleはロボティクス・プロジェクトのために、東京大学情報理工学系研究科・情報システム工学研究室からスピンアウトしたSCHAFT、人工視覚システムやロボットアームを開発するIndustrial Perception、製造・サービス向けのロボティクスソリューションを研究するRedwood Roboticsなど、すでにスタートアップ7社を買収したという。プロジェクトチームはカリフォルニア州パロアルトと日本に拠点を置いている。

Page氏は「Androidは常軌を逸したアイディアから始まって、数百万のポケットにスーパーコンピュータを収める結果を生み出した。新しいプロジェクトは始まったばかりだが、その進展に触れるのが待ちきれない」とコメントしている。