セイコーエプソンは12月3日、同社従来品比で35%の低消費電流化を実現したリアルタイムクロックモジュール「RX6110SA」を発表した。

一般的に、リアルタイムクロックは、その水晶発振によりカレンダーデータと日時データを逐次更新し続けていくが、メイン電源の遮断時や停電時にはデータを更新できなくなるため、そうした事態に備えたバックアップ電源によるデータ保持回路が必要となり、電源回路には、メイン電源とバックアップ電源を適切なタイミングで切り替える能力が求められることとなっている。また、近年、環境負荷低減やコスト削減の方策として、システム上でのバックアップ電源を電池から大容量のキャパシタへ置き換えようという動きが出てきており、システム側の電源切り替え回路におけるバックアップ時間の算出やリアルタイムクロック自体の消費電流、ダイオードのリーク電流や順方向電圧降下特性によるパワーロスなどを総合的に計算し、設計に反映する必要があった。

ダイオードを用いない電源切り替え回路と専用のインタフェース電源端子を内蔵することで、130nA(Typ.)の低消費電流とパワーロスの低減を実現。また、システムのCPUと1.8Vインタフェースで接続しながら、同時に別口の電源端子からバックアップ電源に5Vで充電することができるため、バックアップ時間を伸ばすことが可能だ。

また、システムの稼働時間や、バックアップ時間の記録などに利用できる長時間の積算タイマーに加え、32.768kHz出力、アラーム機能、定周期タイマー割り込み機能、RAMなどの機能も搭載している。

さらにインタフェースは端子接続の切り替えによってSPI-BUSとI2C-BUSを選択することが可能なほか、バックアップ電源としては電池(1次・2次)の利用も可能となっている。

なお、計時電源電圧は1.1V~5.5Vで、動作温度範囲は-40℃~+85℃、周波数初期偏差は5.0±23.0×10-6(Max.)となっている。

リアルタイムクロックモジュール「RX6110SA」のパッケージ外観