日本貿易会は28日、2013年度と2014年度の貿易収支および経常収支の見通しを発表した。それによると、2013年度の日本の貿易収支(通関ベース)は12兆990億円の赤字となると予測。赤字幅は2012年度と比べて3兆9,230億円拡大し、2年連続で過去最大の赤字を更新する見込みだ。

輸出総額は前年度比9.8%増の70兆1,800億円。内訳は、輸出数量が同0.7%増、輸出価格が同9.1%増と予測している。「大幅な円安進行により幅広い品目で価格が上昇する他、世界経済の減速に歯止めがかかり数量ベースでも下げ止まるため、3年ぶりの増加に転じる」(日本貿易会)。

輸入総額は前年度比14.1%増の82兆2,790億円との見通し。輸入数量は同0.9%増、輸入価格は同13.2%上昇すると見られる。「価格の上昇は大部分が円安によるものであり、数量は消費税率引き上げ前の駆け込み需要が下支えする」(日本貿易会)。

2014年度の貿易収支(通関ベース)については、10兆7,080億円の赤字と予測。赤字幅は2013年度より1兆3,910億円縮小すると見込まれる。

輸出総額は前年度比4.1%増の73兆330億円となる見通し。世界経済の回復を受けて輸出数量は同2.0%増加、円安傾向が続き輸出価格は同2.1%上昇するという。

輸入総額は前年度比1.8%増の83兆7,400億円と予想。消費税率引き上げによる国内需要の停滞により輸入数量は同0.1%増とおおむね横ばいにとどまるものの、円安により輸入価格が同1.7%上昇すると見られる。

2013年度の経常収支については5兆690億円の黒字と予測。前年度の4兆3,536億円を上回り、3年ぶりに黒字幅は拡大する見通しだ。

経常収支(出典:日本貿易会Webサイト)

内訳は、貿易赤字が輸出を上回る輸入の増加により、10兆5,320億円まで拡大。一方、サービス収支は輸送や旅行、特許等使用料の受取増により、赤字が1兆3,760 億円へ縮小するほか、所得収支は対外資産の増加や円安により、黒字が17兆9,450億円まで拡大すると予想している。

2014年度の経常収支については7兆5,820億円の黒字と予測。黒字は2011年度並みの水準まで回復するという。

内訳は、貿易赤字が輸入を上回る輸出の増加により、9兆1,720億円まで縮小。また、サービス収支は受取増が続き赤字が1兆2,170億円へ縮小するほか、所得収支は円安などを追い風に黒字が18兆9,500億円へ拡大するとしている。