富士通は、宮城県石巻市において、高齢者の生活全体を地域で支えることでQOL(Quality of Life)の向上を目指す「高齢者健康・生活支援モデル」の実証を開始すると発表した。

この実証では、同社のクラウドサービスを活用した情報連携基盤を構築し、医療・介護・生活支援サービスなど、高齢者の生活を支える関係者間で共有すべき情報項目について検討するとともに、情報連携基盤における必要機能を確立し、それらを利用した効果や課題を検証する。

実証の概要

同社では、祐ホームクリニック石巻と、在宅医療・介護に携わる多職種間(在宅診療医師、訪問薬剤師、訪問看護師、ケアマネジャー、ホームヘルパーなど)での情報連携について検討・検証を重ね、2013年1月に「高齢者ケアクラウド」としてサービス提供を開始している。今後、この連携の輪を他業種にも広げ、高齢者の生活を地域全体で支えあうためには、高齢者の生活全体を支える社会的ネットワーク作りと、高齢者の加齢にともない虚弱化していく過程に対応できる仕組みづくりが必要になるという。

高齢者の生活全体を支える社会的ネットワーク作りでは、医療・介護事業者の連携に加え、生活支援サービスを提供する民間事業者も含めた社会的ネットワーク作りが必要で、高齢者の加齢にともない虚弱化していく過程に対応できる仕組みづくりでは、高齢者の家族からの働きかけが有効であり、ICTを活用することで、動画、写真などビジュアルな情報を用いて離れて暮らす家族とのコミュニケーションの質・量を高め、高齢者の健康や生活の状況に対する理解促進を図るとともに、関心を喚起することが重要だという。

実証では関係者間で共有する情報項目を定めるとともに、そのための連携基盤を構築し、情報共有を行う。高齢者や高齢者の家族は、情報項目の一部を専用のポータルサイトから閲覧でき、医療介護事業者や生活支援サービスの窓口となるコーディネーターへ連絡をとることができる。

実証期間は2013年11月~2014年3月末で、宮城県石巻市の高齢者約70名が対象となる。