「できる人」と聞くと、バリバリ仕事をこなしそうなイメージですが、それでは「仕事ができる」となると、具体的にはどういう人のことをいうのでしょうか。作業がスピーディー? クオリティーが高い? それとも、クライアントとよい関係を構築するのがうまいってこと?

マイナビニュースでは、真の「仕事ができる人」像を明確にするために、会員300名にアンケート調査を実施しました。

「仕事ができる人」の4つの条件

身の周りに「仕事ができる人」がいるかどうかを尋ねたところ、実に89.3%の人が「はい」と回答しています。性別については、男性68.0%に対して女性は32.0%と、男性の方が優勢ですが、これは職場の男女構成比によるのかもしれませんね。

年代について見てみると、「30代(41.3%)」がトップで、「40代(31.3%)」が続きます。働き盛りの世代に「できる人」が多いようです。

では、なぜその人のことを「仕事ができる」と思うのでしょうか。具体的な理由を見てみると、大きく4つのタイプに分類できることがわかりました。

■仕事が速くて正確な「スピード」タイプ

・「仕事が速い」(42才/男性/建築・土木関係/営業職)
・「てきぱきしていてミスをしないから」(29才/男性/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「手際がよい」(22才男性/その他)

仕事の効率のよさや正確さをあげた人が多勢。基本的なことですが、目に見えてわかりやすいため、他人からの評価を得やすいポイントですよね。

■仕事の処理能力が高い「クオリティー」タイプ

・「問題の分析、整理する能力が高く、本質的な議論がどんどん進められる」(50歳以上男性/電機/技術職)
・「ややこしい問題でもまとめて帰ってくる」(33歳/通信/事務系専門職)
・「臨機応変に対応を変えられる。取らなくても良い資格を取って、自己の能力を高めている」(27歳男性/団体・公益法人・官公庁/技術職)

仕事が速くて正確なだけでなく、難易度の高い仕事もさくっとクリアしてしまう。そんな人がいるだけで、頼りになります。そうなるためには、資格取得などの自分磨きが求められているようです。

■計画的に仕事を進められる「マネジメント」タイプ

・「事前に予想して仕事をしているから」(32歳女性/生保・損保/専門職)
・「優先順位をきめて、計画的に早めに済ますことができる」(31歳女性/学校・教育関連/専門職)
・「納期に遅れずきっちり仕上げてくる」(31歳男性/機械・精密機器/技術職)

どんなにすばらしい仕事をしても、スケジュール管理ができなければ、納期に間に合わせることができません。仕事を効率的に進めるためにも、見習いたいポイントですね。

■周囲とうまくやっていける「コミュニケーション」タイプ

・「毎日遅くまで残業してトラブルに対応している」(33才男性/情報・IT/技術職)
・「事務職の私たちにまで気を遣ってくれる」(49才女性/運輸・倉庫/販売職・サービス系)
・「コミュニケーション力に長けている」(27才男性/建設・土木/事務系専門職)

嫌な仕事を進んで引き受ける面や、周囲への気遣いなどが評価につながっていることも。仕事をする上で、チームワークは大事な要素。円滑な人間関係を築くことは重要ですよね。

「自分は仕事ができる」という人は2割弱

仕事ができるとそれだけで評価がアップしますが、

・「頭の回転がこの世のものとは思えぬ程早く、他人を動かす能力にすぐれている。自分の失敗もみごとに人のせいにするが、思わずしたがってしまうカリスマ性があるし、人情深く愛嬌もあり、勘も鋭く、人望も厚い。非と言えば女グセが悪い事くらい」(49才女性/運輸・倉庫/販売職・サービス系)

という、「仕事はできるけど人柄には難アリ」な意見も。「仕事ができる人」が必ずしも人間的にも立派とは限らないようですが、完璧ではないところにかえって親しみがもてるような気もします。

ちなみに、「あなた自身は仕事ができる人ですか?」との質問に対して、「はい」と答えた人は全体の17.7%。謙遜しているのか、意外と少ないようですね。どのようなポイントが「仕事ができる」と評価できたのか、意見を見てみましょう。

・「仕事量が他の人よりは多いが、残業は少ない」(36才女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「人脈がある」(30才男性/食品・飲料/技術職)
・「企画立案からテーマの推進、実務や細かい調整業務まで、一人で複数人の役割と工数をこなしている」(28才男性/自動車関連/事務系専門職)

理由はさまざまながら、客観的な目線を持って、自分を評価できている人が多いようです。

周囲から「仕事ができる」と思われている人も同様に、自分のことを客観的に評価しながら、技術やコミュニケーション力を磨き続けているのでしょう。

「できる人」になりたいけれど、なかなかうまくいかなくて……と悩んでいる人は、まずは周囲からどんなふうに見えているかを同僚に尋ねてみることで、改良できる点を見出すことができるかもしれませんね。

今回、紹介したコメントの中には、ひとつぐらいは「自分でも真似できるかも」と思えるものがあるのでは? 参考になる意見を取り入れながら、社会人になっても、自分磨きを忘れずに頑張りたいものですよね。