東京の町工場を中心に深海探査ロボットの開発を行う「江戸っ子1号プロジェクト」は、房総沖の日本海溝、水深約7800m地点で、3Dハイビジョンビデオを用いて魚類の撮影に成功したと発表した。

撮影されたのは、ヨコエビ類とヨミノアシロと思われる魚類。同プロジェクトに協力している海洋研究開発機構(JAMSTEC)によると、深海の魚類を3Dハイビジョンビデオで撮影することに成功したのは世界初としている。

同プロジェクトは、東大阪の「まいど1号」に刺激を受けた東京の町工場を中心とした中小企業4社(杉野ゴム化学工業所、浜野製作所、パール技研、ツクモ電子工業)と、開発支援などを行う東京東信用金庫、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、芝浦工業大学、東京海洋大学の8者が協力する形で商業探査機を開発し、8000mを超える深海探査にチャレンジしようというもの。

今回の挑戦では、3機の探査機が投入されており、そのいずれも回収に成功しており、全体として実験成功という結果になったという。

なお、今回の航海には芝浦工業大学の教員と学生も同行しており、機体の投入から回収までの一連の作業などを行っており、同大としても、産学連携で地域の企業とともに新しい取り組みにチャレンジし、今後も社会に貢献していくことを目指すとしている。

海中に投入される江戸っ子1号の様子

今回、3Dハイビジョンビデオで撮影に成功したヨミノアシロと思われる魚類