日立製作所(以下、日立)は11月21日、カナダの大手電力会社であるサスカチュワン州電力公社(以下、サスクパワー)と、石炭火力発電所の排出ガスからCO2を回収する実証試験向けの設備(Carbon Capture Test Facility/以下、CCTF)の建設を開始したことを発表した。

本実証試験は、2012年3月にサスクパワーと共同で実施することに合意したもので、2014年秋頃に建設を完了し、2014年内には実証試験を開始。大型の商用機を見据えたCO2回収技術全体の信頼性や経済性などを総合的に評価する。

本実証試験では、CO2回収技術の確立に積極的に取り組んできた両社が有する技術・ノウハウを集約し、CCTFで採取するデータをもとに、CO2の回収効率や回収に必要なエネルギー量など、大型の商用機を見据えたCO2回収技術全体の信頼性、経済性などを総合的に実証・評価する予定。

今回建設を開始したCCTFは、サスクパワーが所有するサスカチュワン州エステバン市近郊のシャンド石炭火力発電所(298MW)から排出されるガスに含まれるCO2を、アミン液で吸収分離する化学吸収法を用いて1日120トン回収する設備。日立グループのバブコック日立とサスカチュワン州の日立パワーシステムズカナダが、日立独自のCO2吸収液「H3-1」の供給や、主要機器の設計・製造を担当する。