マイナビは11月21日、「マイナビ転職」会員の転職希望者を対象とした「職種別・年代別 平均年収レポート」と、掲載求人情報から集計した「職種別モデル年収ランキング」を発表した。

「職種別・年代別 平均年収レポート」はマイナビ転職スカウトサービスの利用会員データより算出している。調査期間は2007年4月1日~2013年6月30日で、調査対象はマイナビ転職会員のうち、期間中にスカウトサービスに登録した正社員として就労している20~59歳の会員 約17万人(退会者除く)。

レポートによると、2008年1~6月と2013年1~6月の比較を行った結果、掲載求人数は約2倍増、平均年収は減少傾向にあり、アベノミクスの影響は表れていなかった。

直近5年間の転職希望者の掲載求人数を見ると、リーマンショック後の2009年前半は前年の半分にまで落ち込んだが、2009年後半から回復傾向になり、2013年前半にはリーマンショック前の約2倍に増加した。一方で転職希望者の平均年収は2011年1~6月まで下がり続け、その後は回復傾向にあるもののリーマンショック以前の水準までは戻っていないのが現状となっている。

マイナビ転職会員の平均年収と掲載求人数の推移

平均年収が最も高かった職種カテゴリーは、金融や不動産・コンサルタントなどの「専門職関連」で457万円、最も低かったのは医療・教育・介護関連の「専門サービス関連」で344万円となり、110万円以上の差があった。

専門職関連の平均年収

専門サービス関連の平均年収

さらに細かい職種別で見ると、最も平均年収が高い職種は「経営企画・事業企画・エグゼクティブ系」で604万円、次いでIT関連の技術職である「プロジェクトマネージャー」が591万円、同じくIT関連の「コンサルタント・アナリスト・プリセールス系」が551万円、営業系の「海外営業」が507万円となった。

逆に、平均年収が低い職種は販売サービス関連の「エステ・理美容・リラクゼーション系」が264万円、次いで専門サービス関連の「保育系」が277万円、販売サービス関連の「調理・調理補助」が307万円となった。

最も平均年収が低い職種と高い職種では340万円の差があり、職種ごとに平均年収が大きく異なっている。また、年代別で最も平均年収が高い職種は、20代は「プロジェクトマネージャー」が469万円、30代は「経営企画・事業企画・エグゼクティブ系」が594万円、40代は「研究・開発・特許系(電気・電子・機械)」が750万円となった。

平均年収とモデル年収は大きく異なる

一方の「職種別モデル年収ランキング」では、転職希望者の平均年収と掲載求人のモデル年収には、一定の差があることがわかった。

調査方法はマイナビ転職に掲載している求人のモデル年収データ欄より算出したもの。調査期間は2007年4月1日~2013年6月30日で、調査対象はマイナビ転職掲載求人のうち、上記の期間中に求人原稿のモデル年収欄を利用した求人情報約7万件となっている。

最もモデル平均年収が高い職種は「コンサルタント(経営戦略)」で876万円、最もモデル平均年収の低い職種は「管理栄養士・栄養士・フードコーディネーター」で335万円だった。その差は541万円となり、職種ごとに掲載求人の年収には大きな差があった。

コンサルタントのモデル平均年収

専門サービス関連のモデル平均年収

また、平均年収が高い職種は、金融関連の専門職である「金融商品開発・アクチュアリー」で775万円、不動産関連の専門職である「用地仕入」が771万円、同じく不動産関連の「不動産事業企画」が709万円と続いた。高い専門性が求められる職種が上位を占める結果となった。

その他、事務・企画・経営関連の「知的財産・特許」が698万円、「経営幹部、CEO、CFO等」が694万円、IT関連の技術職では「システムコンサルタント・アナリスト・プリセールス系」が690万円、「プロジェクトマネージャー」が648万円となった。

営業関連では「金融営業」が676万円、販売・サービス関連では「FCオーナー・代理店研修生」が611万円、医療・教育などの専門サービス関連では「教師・講師・インストラクター系」が582万円となり、職務領域ごとに平均年収が高い職種がある。