富士通は11月21日、西日本地区のメインデータセンターである「明石システムセンター」に、ラック、電源、空調などの稼働効率が最大になるよう配置するモジュール型データセンター技術を取り入れた新棟を開設し、同日より運用を開始すると発表した。

同センターには、免震DCと耐震DCというタイプの異なる2種類のデータセンター(DC)が用意されている。

「明石システムセンター」外観図

免震DCはミッションクリティカルシステム運用に適した高スペックデータセンターで、免震構造3階建(500ラック設置。今後1,000ラックまで増設予定)。外気利用による高効率空調設備、生体認証、共連れ防止、ラック電気鍵システムなどによるフィジカルセキュリティ、長期間の電力途絶時の対応力を強化するため、長寿命型非常用自家発電機を導入している。

免震DC

耐震DCは最適な品質・コストで利用可能なスタンダードスペックデータセンターで、耐震構造1階建(100ラック×1、60ラック×2設置。今後600ラックまで増設予定)。外気利用による高効率空調設備、生体認証、ラック物理鍵管理などによるフィジカルセキュリティ、無停電電源装置2重化、免震設備などをオプションとして追加可能。

明石システムセンター新棟では、高効率設備(UPS、空調など)の導入や熱流体シミュレーションによるサーバ室レイアウト設計など、従来からの環境配慮型データセンターの施策を継承するとともに、外気活用による空調設備の省電力化にも積極的に取り組んでいる。

また、夏期の補助冷却装置としてデータセンター用の空調設備に一般的な電算室用パッケージエアコンを組み合わせることで、温暖な地域でも通年の外気冷却を可能とする新たな空調技術を開発・導入。同技術は、データセンターの規模や建物仕様を問わず容易に導入でき、既存のデータセンターのエネルギー効率を大幅改善する際にも有効となっている。

そのほか、国内外の同社データセンターや利用者オンサイトに配置されたICTインフラの構成情報、稼働状況、インシデント情報、キャパシティ状況を一元管理できる運用マネジメント体制を整えており、グローバルに展開したシステムの状況も24時間365日リアルタイムの把握が可能となっている。