車載インフォテインメントシステム向けOS市場でのLinuxのシェアが増加傾向にあるという。調査会社IHSの調査によると、ちょうど1999年のPC市場と同規模になる2020年、車載向けインフォテインメントOSは、Linuxが現在大手のQNX Software(カナダBlackBerry)をしのぎ王座になると予想している。

車載向けインフォテインメントシステムは右肩上がりで成長している市場だ。現在ここで最大シェアを占めるのはQNXで、2013年は53%と過半数を占めている。次いでMicrosoftの27%。

Linuxは2013年時点では台数にして100万台にも満たないが、多数の自動車メーカーが採用を進めており急成長が見込まれるという。その結果、2020年にはLinuxベースの車載システムの販売台数は5370万台となり、QNXを追い越すとIHSは予想している。2020年の総出荷台数は約1億3000万台、これは1999年のPC市場に匹敵する規模という。なお、2020年のMicrosoftのシェアは18%に縮小すると予想している。

Linux(濃い青)が急成長。現在最多シェアのQNX(青)とMicrosoft(水色)を抑えて2020年に首位に(出典 : IHS)

現在Linuxを積極採用している自動車メーカーの1社がGMだ。IHSによると、同社は「Cadillac」機種のLinuxベースのCUEシステムを筆頭に、「Buick」「GMC」「Chevrolet」「Opel」などの機種でもLinuxベースのヘッドユニットを搭載する予定だという。このほか業界団体のGEVINI Allianceではオープンソースの車載システムの開発を進めており、BMW、PSA、Jaguar/Land RoverなどのメーカーがGEVINIプラットフォーム互換のLinuxを利用することにコミットを表明しているという。さまざまなバリエーションのLinuxがある中、GEVINIは多数の企業が参加していることからGEVINIバージョンが市場を牽引するとIHSは予想している。

Linuxの自動車メーカーへのメリットについてIHSは、自動車メーカーは自分たちのシステムアーキテクチャを設定・制御できる点を挙げている。このほか、コスト削減のメリット、さまざまな企業がソフトウェア階層の各レベルで技術を供給できることなどがあるという。

Linuxを推進するLinux Foundationの執行ディレクターJim Zemlin氏は、GMのほかTesla Motorsの「Model S」も採用事例に挙げる。また、Linux Foundationがホスティングする自動車業界向けの取り組み「Automotive Grade Linux(AGL)」にトヨタ自動車、日産自動車らが参加している点を付け加えている。