女優の坂井真紀、俳優の井浦新、大森立嗣監督が19日、都内で行われた、WOWOWの連続ドラマ『かなたの子』の完成披露試写会に出席した。

左から、大森立嗣監督、坂井真紀、井浦新

角田光代の同名短編小説集が原作の同ドラマは、富士登山を舞台に過去に闇を抱えた人々を描くヒューマンドラマ。ガイドの野澤亮一(井浦)のもと、1泊2日の富士登山ツアーに参加した豆田日都子(坂井)。日都子を含め山に登る人々は、それぞれが取り返しのつかない過去や罪の意識にさいなまれながら、山頂を目指して進んでいく――というストーリーで、ドラマは12月1日22時から毎週日曜日に放送予定(全4回)。

9月に行われた撮影は、今年世界遺産に登録された富士山の登山ルートのうち、最も過酷とされる御殿場ルートで敢行され、大森監督は「永瀬(正敏)さんが来たら台風が来て、帰ったら台風も去った」と苦笑いで明かしつつ、「悪天候で小屋に閉じ込められて、スタッフもキャストもごちゃ混ぜで面白かった」とニヤリ。そんな状況を振り返り、「毎日登って下りてを繰り返して、何の修行をしてるのかと。御殿場ルートはかなり詳しくなった」と明かした井浦は、「過酷な状況だったけど、雨が降って急に晴れたり、雲の影が恐竜に見えたり、1人で盛り上がってた」と撮影を楽しんだ様子だった。

また、大森監督の映画『さよなら渓谷』(2013年)に続く出演となった井浦、過去に闇を持つ役柄を演じた坂井に対し、大森監督は「2人は強い意志を持っていて、自分たちがどこに向かっていくか明確なものを持ってる。安心して撮影出来た」と大絶賛。そんなキャスト2人は、ドラマ内容にちなみ、それぞれがトラウマを告白。坂井が「小学校の時のプールの授業でパンツを無くして、パンツをはかずに授業を受けたこと。机の横に落ちてたんですが」と笑いを誘うと、坂井がトラウマだとぶっちゃけた井浦は、「目の前で芝居してると変な気分になる。真紀さんの芝居の熱量がすごいから触発されちゃう。2人のシーンは、実はビビリながら演じてる」と打ち明けて、坂井を苦笑させていた。