iPad用スケッチアプリ「Paper」を提供する米FiftyThreeは11月19日(現地時間)、Bluetooth対応スタイラスペン「Pencil」を発表した。Paperと組み合わせることでパームリジェクションやブレンド機能を使用でき、ナチュラルなスケッチを楽しめる。現在、特別価格で提供されており、マグネットでSmart Coverにつけられるウオルナットが59.95ドル、グラファイトが49.95ドル。対応機種はRetinaディスプレイを備えたiPadとiPad mini。

Pencil (ウオルナット)

Pencil (グラファイト)

PencilはBluetooth LEを通じてiPadと接続し、Pencilの動きを対応アプリに伝えることで、よりナチュラルにスタイラスを使用できるようにしている。その一つが、ペン先と手のひらを区別するパームリジェクションだ。手のひらをスクリーンに置いたまま描いても、リストガード機能を使っているように手のひらの接触を無効化(リジェクト)。ペン先の接触だけを認識する。指先も区別され、Pencilを使っている状態で、指でスクリーンに触れるとぼかしや色のブレンドになる(ブレンド機能)。またペン先の反対側にも平たいチップが付いており、Paperではイレーサー (消しゴム)として機能する。描き損じたら、アプリでイレーサーに切り替えなくても、Pencilの反対側を使うだけで消せる。

ウオルナットはマグネットでiPadのカバーにつけて持ち歩ける

ペン先とイレーサーのチップのスペアが付属

Pencilにはボタンが1つもなく、スクリーンにペン先を当てると自動的にBluetooth接続が行われる。FiftyThreeはこれをKiss-to-Pairと呼んでいる。バッテリーは、リチウムポリマー電池を内蔵。通常の使用でおよそ1カ月もつという。充電はUSBポートを通じて、90分以下で完了する。

現時点でPencil対応アプリはPaperのみ。FiftyThreeは、サードパーティがPencilに対応するSDKを提供する予定。またパームリジェクションやブレンド、イレーサー機能などは使用できないものの、他のアプリでもベーシックなスタイラスとして使用することが可能。

PencilはFiftyThree初のハードウエア製品だが、同社の開発チームの多くはMicrosoftでXboxやタブレットを手がけていた経歴を持つ。Paperでインク技術の書き味をアピールするなど、使用体験にこだわっており、Pencilに満足できなかったら30日以内は交換や返金の要求に応じる。