アットマークテクノは11月14日、独MVTec Softwareの画像処理ソフト「HALCON」がARMプロセッサ搭載の組み込みプラットフォーム「Armadillo-800シリーズ」に対応したと発表した。

HALCONは、専用開発ツール「HDevelop」を使って1900の画像処理ライブラリオペレータを組み合わせることで、効率的な画像処理システムを構築できるソフトウェアで、開発された画像処理システムは主にFA分野で活用されており、日本国内の検査システムだけでも数万システムの導入実績がある。

一方のArmadillo-800シリーズはARMプロセッサを搭載したCPUボードで、オープンソースOSであるLinuxをプリインストールすることで、さまざまな組み込み機器の試作・評価用途で活用されているほか、製品化・量産でもそのまま利用することが可能だ。中でもArmadillo-810はARM Cortex-A9プロセッサを搭載したシリーズ最高性能の組み込みCPUボードで、「撮る→考える」までを実現するインテリジェントカメラ向けのプラットフォームなどの適用が考えられている。

この"考える"機能の実現には、従来は、完成した画像処理アルゴリズムを調達するかまたは画像処理の知識を有する技術者がオープンソースの画像処理ライブラリOpenCVなどで高度なプログラミングを作成する必要があったが、HALCONの対応により、高度なプログラミング技術を必要とせずArmadillo-810で画像処理を行うことが可能になったという。

そのため同社では、HALCONが得意とするFA分野はもとより、食品分野や物流分野でも活用を推進していく予定で、幅広い使い方の提示を行っていくとしている。

Armadillo-810とHALCONを組み合わせたときの開発イメージ