キリンは11月11日、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターと共同で実施した試験において、JCM5805株(プラズマ乳酸菌)を摂取することで、風邪やインフルエンザの発症を抑制することを確認できたと発表した。この研究成果は、11月11日に開催された第61回日本ウイルス学会学術集会で同社が発表したもの。

今回の試験は、30歳から59歳までの健康な男女213名を対象とし、プラズマ乳酸菌を含むヨーグルト飲料を摂取するグループと、プラズマ乳酸菌を含まないプラセボ飲料を摂取するグループに分けられ、70日間続けられた。

JCM5805株(プラズマ乳酸菌)の拡大写真

試験の結果、期間内に風邪を発症した人数の合計は、プラズマ乳酸菌を摂取したグループが7名であったのに対し、プラセボ飲料のグループは14名であった。風邪の症状としては、プラズマ乳酸菌を摂取することによって「咳」と「熱っぽさ」の症状が特に抑制されていることが明らかとなったという。

風邪・インフルエンザ様疾患の類型発症者数

さらに、試験後の被験者の血液を採取し、インフルエンザウイルスによる免疫応答性を調査したところ、プラズマ乳酸菌を摂取したグループはプラセボ飲料のグループに比べ、インターフェロンα遺伝子およびインターフェロン類によって誘導される抗ウイルス因子であるISG15が向上したことが判明。プラズマ乳酸菌を含むヨーグルト飲料は、風邪だけでなくインフルエンザなどのウイルスに対しても効果があることが確認されたという。

インフルエンザウイルスに対する免疫応答性

今回の試験の結果により、同社は今後も乳製品をはじめとしたさまざまな商品でプラズマ乳酸菌を利用し、有効性を解明していくとしている。