NECは12日、機密性の高い個人に関する情報(パーソナルデータ)の匿名化を従来よりも高速で行えるプライバシー保護技術を開発したことを発表した。

パーソナルデータは、性別や生年月日のように個人に対して1つの値となる属性(単一値属性)と、病名や投薬名のように個人に対して複数の値が含まれる属性(集合値属性)の組み合わせからなる構造となっているが、従来は、単一値属性と集合値属性をそれぞれ分けて匿名化していたため、精度や安全性に課題があったという。

NECでは、データの精度を保ちながら単一値属性と集合値属性をまとめて高速に匿名化(k-匿名化)し、個人が特定されるリスクを低減するアルゴリズムを開発。この技術により、医療情報や健康情報、生活情報や位置情報といったパーソナルデータを安全に有効活用することができるとしている。

NECは本技術を利用した実証実験も実施。一般的なサーバを用いてパーソナルデータである医療情報に対して、50万人規模のk-匿名化を行ったところ、従来の処理時間の40分の1である約5分まで短縮。また、NECのDWHアプライアンスサーバ「InfoFrame DWH Appliance」を用いた1億人規模のk-匿名化を約10時間で処理できたという。

今回発表した技術は11月14日と15日に東京国際フォーラムで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2013」で展示する。