三井住友カードはこのたび、Global Payments Cloud Pte.Ltd(以下GPC)および世界各国のVisa・MasterCardの加盟店契約を行うカード会社・金融機関など(以下アクワイアラー)と連携し、海外へ進出する加盟店のECでのカード決済導入支援を目的とした「グローバルECアクワイアリング支援サービス」の提供を開始した。

同サービスの世界最初の案件として、三井住友カードはエイチ・アイ・エス(以下H.I.S.)の海外子会社が運営するECサイトへのカード決済導入を支援しているという。同サービスを通じ、9月にH.I.S.のイタリア子会社のECサイトにカード決済を導入しており、11月7日には、H.I.S.のオーストリア子会社のECサイトでもカード決済を導入した。また11月中には、スペイン子会社のECサイトでも導入が決定しており、今後もH.I.S.の各国現地法人への拡大を順次進めていくとしている。

従来、海外へ進出する旅行代理店や小売事業者等が現地でカード決済を導入するためには、各国でVisa・MasterCardのアクワイアラーと個別に交渉し、決済システムについても各国ごとに構築する必要があったという。そのため、手続きが煩雑であることに加え、システム開発・維持の負担が重く、また売上データが各国のアクワイアラーごとにばらばらなフォーマットで提供されるため、多国籍企業の本国が売上の一元管理を図れず、グローバルに合理化する際の阻害要因になっていたとしている。

「グローバルECアクワイアリング支援サービス」はそのような問題を解決するために組成されたコンソーシアムで、GPCおよび世界各国のVisa・MasterCardのアクワイアラーが参加。同コンソーシアムに参加するアクワイアラーは、他国のアクワイアラー各社およびGPCの代表となり、多国籍企業の本国と加盟店契約およびシステム導入等に関する諸条件の交渉を行う窓口となる。これにより、企業側は加盟店契約の交渉・手続きが大幅に合理化されるとしている。

また、GPCが提供する決済システムは、GPCのグループ会社であるAlpha Payments Cloud Pte.Ltd(以下APC)が開発および運用管理を行う。APCは、多通貨決済サービスや不正検知等を含め、最先端の機能をグローバルに利用できる加盟店向け決済システムを提供することで、企業側のシステム開発・維持の負担軽減に貢献していくという。

さらに、多国籍企業が世界共通の売上管理をスムーズに実施できるよう、売上データは、APCのシステムを活用してGPCより、同一のフォーマットで一括提供される。これにより、グローバルに売上管理の合理化が実現可能となり、マーケティングへの有効活用も容易になるとしている。

日本に本社を置く多国籍企業であれば、三井住友カードが世界各国のアクワイアラーおよびGPCを代表する専用窓口となる。

三井住友カードは、同コンソーシアムを活用し、海外展開を図るインターネット通販事業者に同サービスの導入を幅広く進めていく。また、三井住友カードではこれまでも、多通貨でのカード決済サービスの提供など、加盟店の利便性を向上する施策を積極的に展開しており、今後も加盟店のニーズに合致した商品・サービスを提供していくとしている。