大阪府はこのほど、府の「南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会」(部会長:河田恵昭関西大教授)において、大阪府内の死者が最大13万3,891人になるなどの被害想定が取りまとめられたことを受け、古屋圭司内閣府特命担当大臣および太田昭宏国土交通大臣に要望書を提出した。

要望書では、「経済中枢機能が高度に集積した大都市・大阪に対する打撃は、大阪だけの問題にとどまらず、日本全国、ひいては我が国の国際競争力を低下させ、国家としても大きな損失となる」と指摘。

その上で政府に対し、「地域防災計画等の各種計画の前提となる国の対策大綱等に、大都市・大阪の重要性、被害の甚大性を反映するとともに、火災や地下施設を有する大規模駅周辺ビル群の浸水等、新たな知見に基づく対策が必要とされる課題について、引き続き検討を行い、実施方法等を示されたい」と要請した。

特に、液状化による防潮堤や河川護岸の沈下対策、密集市街地対策といった急務の課題について、国家的な観点から、国費の拡充や地方債の特別措置、老朽空き家の撤去に関する税制活用などの必要措置の実施に向け、直ちに取り組むよう求めた。

また、現在国会で審議が行われている「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法案」および「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」について、両法案成立後に、政府が基本計画の策定や財政支援について検討を行う際は、「地域の実情を十分に踏まえた内容」とするよう要求した。