丸紅情報システムズ(以下、MSYS)は、同社の事業会社であるテスコが開発・販売する産業用X線CTスキャナを用いた、工業製品向け非破壊検査サービスを11月15日より開始すると発表した。

本サービスは、試作品や、故障部品などの内部状態をCTスキャナで調べたいが、装置を購入するほど費用をかけられないという顧客に対し、手軽にCTスキャン測定を可能とする。テスコがクライアントから電子部品、エンジン部品、ポンプなどの測定物を預かり、目的や希望の分析内容をヒアリングし、同社製産業用X線CTスキャナにより測定対象物を破壊することなく三次元の内部形状を撮影・測定するもの。

三次元の形状データと、観閲用ソフトウエアを標準サービスで提供し、クライアントの社内で、断面形状、空洞の位置、オリジナルCADデータ(ポリゴン)を測定結果と比較し差異の調査など、希望に沿った測定レポートを提供。外見からは不具合の原因特定が難しく、破壊すると原因が分からなくなるような場合に、原因箇所を明らかにする。

また、非接触で内部の形状測定や寸法測定ができることから工芸品や文化遺産などの学術調査にも利用でき、貴重な文化財の精巧な複製品、内部構造解明など内部構造調査に役立つ。

「エンジンブロックの内部寸法チェック」イメージ

テスコの産業用X線CTスキャナは、X線透視とCTスキャンにより、測定対象物を破壊することなく三次元の内部形状を撮影・測定し、3次元グラフィック、断面画像や透視画像でコンピュータ上に再現表示。50mmの鉄を透過する出力性能と、30マイクロメートルの分解能を併せ持つ、高出力・高精細な450KVマイクロフォーカスX線CTスキャンシステムを備え、金属部品、高密度部品の詳細な検査にも対応可能。

なお、サービスの測定からレポート提出までにかかる期間は5営業日程度、測定費用は測定物と分析内容によって価格が変動。アルミ鋳物(200mm×150mm×40mm:A5サイズ)を標準サービスで測定した場合にかかる費用は15万円(税別)。