東京エレクトロン デバイス(TED)は、ワイヤレスセンサネットワークを活用した電力モニタリング環境を提供する開発ボード「TD-BD-WSN5EPM」を発表した。

トンネルや橋梁などの状態を監視する維持管理システムや、ビルや家庭向けのエネルギー管理システム(BEMS/HEMS)など、エネルギー管理や社会インフラ分野、プロセス制御などにおいて、各種センサを無線でネットワーク化することにより、センサが収集した機器や周辺環境に関するデータをタイムリーに活用するワイヤレスセンサネットワークのニーズが高まっている。

同製品は、ワイヤレスセンサネットワークの初期検討や電力モニタリングが可能な評価ボードで、Linear Technologyの評価キット「DC9021A」と組み合せることで、すぐに評価を始めることができ、ユーザーのアプリケーション開発期間の短縮に寄与する。また、Linearの「ダストネットワークスSmart Mesh IP 2.4GHz無線モジュール」と電力モニタIC、および温度センサICを搭載しており、TSMP(時間同期)機能による高信頼性、超低省電力のメッシュ型ネットワークを活用した電力(電圧/電流)や温度のモニタリングを実現する。さらに、環境発電入力を備えた低消費昇降圧DC/DCコンバータを搭載し、環境発電を利用したワイヤレスセンサネットワークの評価も可能となっている。

通信距離は内蔵のチップアンテナで50m、外付けアンテナで100mとなっており、外付けのマイコンとはI2Cと接続して活用する。

なお、TEDでは、同製品をベースとした受託開発サービスを提供することで、同ネットワークの普及・促進を図りたいとしており、初期評価からアプリケーションの開発まで一貫したサポートを提供するとしているほか、将来的にはパートナーを組んでソリューションとしても提供を図っていきたいとしている。同ボードは、すでにアーリーアダプタ向けに受託開発という形でベータ版を提供しているほか、一般向けには2014年3月から出荷を開始する予定としており、その際の価格は未定ながらも7万円程度を想定しているという。

TEDのワイヤレスセンサネットワーク電力モニタ開発ボード「TD-BD-WSN5EPM」。表パッケージには発電用の太陽パネルが付いている