ヤフーは11月1日の点字の日に、同社が9月より実施していた「さわれる検索」プロジェクトの活動報告に関する記者説明会を開催した。併せてプロジェクトで利用した3Dデータとアプリケーションをオープン化して全世界に公開することが発表された。

ヤフー 執行役員 マーケティングソリューションカンパニー長の荒波修氏

さわれる検索とは、インターネットで音声検索して見つかったデータを3Dプリンタから出力して実際に触れるようにする仕組みのことで、同プロジェクトは9月20日から10月31日まで筑波大学附属視覚 特別支援学校(盲学校)で実施されたもの。

発表に先立ち、同社では同プロジェクトの活動を報告。生徒たちは、同大学に設置された3Dプリンタ「さわれる検索マシン」を利用し、「竜巻」などの名前は知っているが形のイメージがはっきりしないもの、教科書に出てきたが形を知らなかったものなどを出力し、実際に触ることで多くの情報を認識できたという。

同社は出力用の素材となる3Dデータを企業や個人から広く募り、合計240個程度の素材を生徒たちが自由にダウンロードできるようにした。「休み時間さわれる検索マシンはいつも大盛況でした」と同学校の生徒も語った。

3Dデータのオープン化については、海外の3Dデータ共有サイト「Thingiverse」とAPI連携し、約10万点以上の3Dデータが「さわれる検索」で利用可能にする。一方のアプリケーションは、12月上旬をめどにソースコード共有コミュニティサイトであるGitHubでソースコードを公開する。

なお、説明会では筑波大学附属視覚 特別支援学校に設置された「さわれる検索マシン」の今後についても発表された。11月1日を持って筑波大学へ移設され、2014年以降は視覚特別教育以外の分野での活用も検討される。

設置されたさわれる検索マシン

生徒が3Dプリンタで出力したカニの造形

同じく出力したサッカーボールの造形