梅田久美氏

美しくなりたいと願う女性から肥満解消を目指す男性まで、「ダイエットしたい」と思っている人は少なくないはず。そういった声を受けて、世にはダイエット効果を謳った食品やら器具、メソッドやらの商品があふれています。でも、そもそもダイエットとは何なのでしょうか? ダイエットインストラクターの梅田久美さんに聞いてみました。

ダイエットの基本は"健康的な心身"を創ること

――ダイエットインストラクターとはどんな資格なのでしょうか?

「ダイエットインストラクターの資格は、一つのメソッドに固執することなく、『運動』や『食事(栄養)』、『メンタル』、『身体の構造』などのさまざまな知識を総合して、ダイエットや美容、予防医学などに役立てていくスペシャリスト資格です。大前提にあるのは"健康的な心身"創りを目指すということです」

梅田さんによると、このダイエットインストラクター資格を取得するには、日本ダイエット健康協会が年3回開催している「認定ダイエットインストラクター養成講座」を受講し、3日間のカリキュラム終了後に行う認定試験に合格することが必要になるとのことです。

――梅田さんがダイエットインストラクター資格を取得された動機は?

「資格を取得するための養成講座では、栄養学、医科学、運動学など多岐にわたって学びます。もともと私は看護師として働いておりました。自分自身のスキルをもっともっとアップさせて、皆さんに健康な心身作りのためのアドバイスをして差し上げられたら素敵だなと思ったのです」

――資格を取得して得られたものは?

「現在は臨床試験受託会社で働いており、三重大学大学院医学系研究科の博士課程に在学中でもあります。

会社は、医薬品や食品など様々なメーカー様から依頼を受けまして、サプリメントやドリンクなどを摂取した際の血糖値や中性脂肪など血液検査数値の変化や、化粧品を使った時の肌の保湿性やバリア機能などを研究・実証するのが主な業務。私はそこで企画・実施・解析する部署の責任者をしております。

ダイエットインストラクターの資格を取得したことで、仕事のなかに『ダイエット』や『予防医学』といった視点の広がりができ、クライアント様からの信頼が高まりました。またご依頼の内容もさらに幅が広がってきており、健康という分野で、今まで以上に社会貢献できるようになったかなと思えるようになりました」

小さな成功体験の積み重ねがダイエット成功への道

――世の中にあふれているダイエット方法やダイエット商品について、梅田さんはどんなふうに見ていらっしゃいますか?

「さまざまなダイエット法の書籍や商品があることは、ダイエットや予防医学への意識の入口として素晴らしいことと思います。しかし同時に、それらの購入では、消費者の方々に取捨選択する権利があります。ダイエットに関する基礎知識を身につけたうえで、広告・宣伝だけに判断を置かない商品選びができるようになってほしいですね」

――ダイエットに関して、世間に誤解などはありませんか?

「語源となる英語のdietには、そもそも『痩せる』という意味はありません。『健康を維持するための食事』というのが本来の日本語訳です。和製英語における『痩せる、減量する』という意味に対して、日本ダイエット健康協会のダイエットの定義は次のようになります。

『人が本来備えている代謝機能を正常に保ち、日常生活を健康的に送ることができるための適正体重の維持または獲得することを目的として、食事、身体活動、その他のあらゆる生活習慣などを調整し、心身ともに活性化させること』

私もまったくその通りと思います。適正体重の維持および獲得ということで、人によっては『太る』ということもダイエットである場合もあるのです」

――ダイエットに関する常識、非常識といったものはありますか?

「人それぞれに体質が有り、適正体重の維持・獲得方法が異なってくるので、周りの皆さんが痩せたから自分も同じ方法で必ず痩せるという考えは間違いだと思います。

ある方にとっては運動不足の解消がその方法かもしれませんし、別の方は食べ過ぎの解消かもしれません。あるいは体温・血流・筋肉バランスなどの体組成の改善による新陳代謝の正常化が必要な方もいらっしゃると思います。どんな方法が有効なのかは人それぞれであり、ご自身である程度は取捨選択される必要があると思います。

また、ご自身が気付いていないだけで、消化器官や代謝機能の異常、あるいは薬の副作用などによる原因も稀にあり、明らかにおかしいと思われたら病院に行かれるということも選択の一つですね」

――その方法はともかく、「どうしてもダイエットを成功させる」と決意したら、どんなことを心がけたらよいでしょう?

「ダイエット成功後の自分の素晴らしい姿をイメージして、根本的なモチベーションを作ることが第一ですね。同時に、直近の目標数値と期間を設定して、選ばれたダイエット方法を根気よく進めていくことではないでしょうか。

私は、数日で達成可能な小さな数値の積み重ねも重要だと思います。小さな数値でも『達成した』という成功体験が味わえると楽しくなってきて、さらにやる気が増すもの。細かく成功体験を重ねていくことで、大きな理想に近づけるはずです。ぜひ頑張ってみてください」

profile
梅田久美(うめだくみ)
三重県内の医療施設にて数年間、看護師として働く。その後、臨床試験受託会社(株式会社機能食品研究所)に転職し、現在は企画・実施・解析部門の責任者を務める。同社の社長とともにダイエット検定2級、1級、ダイエットインストラクターの資格を取得し、「健康増進の講習会」「ダイエット検定の受験対策講座」(「ダイエット検定 三重」参照)などの業務も行っている。

information
日本ダイエット健康協会
ダイエット検定 三重