函館市企業局交通部は、今年1月に廃車となった路面電車を一般競争入札で売却する。対象となる車両は、1965(昭和40)年に新潟鉄工所にて製造された「811号」。

函館市電で活躍した「811号」(写真は函館市企業局交通部提供)

同車両は全長12,240mm、全幅2,342mm、全高3,700mm(全高は台車装着時)、自重約7トン。予定価格は、廃鉄としての価格から算定された5万1,800円(消費税を除く)。

811号は、函館市電で活躍した800形車両12両のうちの1両。800形は車体更新車である8000形への置換えが進んでおり、811号も車体更新のため、2012年6月3日に引退。台車や制御器等の再利用可能な部分は、今年1月に運行開始した8010号に使用されている。

今回、売却されるのは車体のみ。台車・床下機器(制御器・主抵抗器など)、パンタグラフ、料金箱などは対象外。前照灯、尾灯、制動灯、方向幕は800形で唯一現役の812号の予備部品として使用するため、取り外される。入札にあたって、落札後5年は函館市内で保管し、転売しないなどの条件があり、落札後の車両の運搬は落札者の負担となる。

入札日は11月27日。なお、10月30日と11月1日に、駒場車庫にて入札希望者を対象とした事前公開(要電話予約)を行うとのこと。

811号の車体のみ売却される

函館市企業局交通部が廃車を一般競争入札で売却するのは、今年3月の1006号(元都電7000形)に続き2度目。1006号は函館酪農公社が10万円で落札し、同社敷地内に保存された。