歌川広重『名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣』安政 4 年(1857)

新潟市美術館は、2014年1月2日~2月2日に「新春三大美術展 あそぶ浮世絵 ねこづくし - 広重、国芳、芳年 初春にゃんとも猫だらけ - 」を開催する。

歌川広重や歌川国貞の浮世絵などを展示

同展を監修する平木浮世絵財団は、特定の時期や絵師にかたよらず、総数6,000点にも及ぶ浮世絵コレクションを所蔵している。このほど、それらのコレクションの中から、猫を描いた作品を約120点を選んで展示する。

展示の中心となるのは、江戸後期(文政期:1818~1940)以降から、幕末・明治までの作品。作家は、名所絵で知られる歌川広重(1797~1858)、生涯に1万点とも言われる多作の歌川国貞(1786~1865)、愛猫家でもあった歌川国芳(1798~1861)、月岡芳年(1839~1892)、楊洲周延(1838~1912)など。

豊原国周『東せい三十六會席 柳ばし そめ』明治 3 年(1870)

歌川国芳『猫の當字 ふぐ』天保(1830-44)末期

また、浮世絵は、美人画、芝居絵、おもちゃ絵と、多くのジャンルに分けられる。今回も、女性と猫が描かれた美人画、化け猫図、ユーモラスなおもちゃ絵など、さまざまな分野の浮世絵を公開。ウィットに富んだ遊びがしかけられたものもあり、浮世絵文化の奥深さを楽しめる内容となっている。

歌川広重『にゃん喰渡り』天保 13 年(1842)頃

記念講演会として1月19日には「浮世絵に描かれた猫たち」を開催。そのほか、学芸員によるギャラリートークも1月5日、12日に開催する。

歌川国芳 『五拾三次之内 岡崎の場 三桝源之助の白須賀十右衛門 三代目尾上菊五郎の猫石の怪 十二代目市村羽左衛門のいなば之助』 天保6年(1835)

同展は、会期中の9時30分~18時まで開催。1月20日、27日は休館。観覧料は一般1,000円(前売800円)、学生600円。高校生以下無料。