JR北海道はこのほど、「国土交通省からの改善指示を受けて」と題する25日付の文書を、同社ウェブサイトに掲載した。

キハ183系を使用した特急「北斗」。

同文書は、国土交通省からJR北海道に対し、「保安監査の結果による当面の改善指示(その2)」が10月25日付で出されたことを報告する内容。国交省はJR北海道の一連の事故などを踏まえ、9月21~28日と10月9~12日の2度にわたって特別保安監査を実施していた。10月4日に最初の改善指示を出しており、今回は2度目の改善指示となる。

今回の改善指示のおもな内容は、「安全推進委員会の機能発揮」「まくら木の適切な管理・更新の実施」「電磁給排弁非常吐出締切コックの固縛および機器室の封印」の3点。文書では、「安全推進委員会」(事故などの原因究明や再発防止対策に関する事項などを調査審議する機関)が十分に機能していなかったと指摘。一部のトラブルの報告などがなされたのみで、対応についての調査審議が行われていなかった現状を改め、「本来の機能を発揮」してトラブルの原因究明および必要と考えられる対策の調査審議を行うよう求めている。

枕木については、状態を1本ずつ管理していない保線管理室があったことに加え、管理の前提となる枕木の不良判定および交換の基準が現場に徹底されていないことが判明。これらを明確化し、現場に周知徹底するよう求めている。

「電磁給排弁非常吐出締切コックの固縛および機器室の封印」は、特急「オホーツク」(札幌~網走間)に使用されるキハ183-211号において、ATSなどが作動した際に自動で非常ブレーキがかからない状態のまま走行していたことが10月7日に判明した事案に関する指示。通常開いているべきコックが閉じていたことが原因だったため、このコックを固定するとともに、コックのある機器室を封印するよう求める内容となっている。

JR北海道は、「国土交通省からの改善指示を受けて」の中で、2度目の改善指示を厳粛に受け止めて早急に対策を講じると表明。「全社一丸となって安全性の向上に向け取り組んでまいります」と社長名で記している。