宇宙誕生の極初期に生まれた、130億光年という最も遠くにあるある銀河を、米テキサス大学などの研究チームが発見したことを、英国の科学誌『ネイチャー』に発表した。

これまでのも“最遠(あるいは最古)”の銀河の発見報告はあるが、いずれも撮影画像から「赤方偏移」によって推定されたもので、今回研究チームはハッブル宇宙望遠鏡と、ハワイ島・マウナケア山頂にあるケック天文台の望遠鏡(口径10メートル)に設置された最新の分光器を用いて、銀河の光のスペクトル分析を行った。

「赤方偏移」は、宇宙の膨張とともに遠くの銀河はさらに遠くなり、放たれる光の波長も地球側から見ると、どんどん長くなり、光のスペクトルも赤色の方にずれてくる現象で、このずれの大きさから逆に、地球から銀河までの距離(光年)が分かる。距離が長ければ、それだけ古いことになる。

その結果、今回の銀河は、これまでにスペクトル分析された銀河のうちでも赤方偏移の度合いが7.5と最も大きく、130億年前のものと分かった。これは爆発(ビッグバン)によって宇宙が誕生してから、7億年後にできた最古の銀河ともなる。

この銀河の色から、多量の金属が存在するとみられる。さらに星の形成率は年に太陽質量の約330個分もあり、私たちの「天の川銀河」の星形成率の100倍以上と、猛スピードで星が生まれていたことが分かったという。

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