富士ゼロックスは、紙で出力した文書の背景に、目立たないように極小ドットを描画することで、情報を埋め込むことができる低視認性コード「MISTCODE(Micro-dot Iterated and Superimposed Tag CODE/ミストコード)を開発したと発表した。

MISTCODEは、ドットをある規則で配置したパターンで構成し、このパターンを紙の出力文書に複数分散配置して情報を埋め込む。ドットを広範囲に配置することで、用紙の一部が欠落した場合でも、欠落部以外のコード情報から電子文書を特定することが可能で、いつ・どの会議で利用した文書なのか等の情報を埋め込むことで、紙文書の漏洩抑止に利用できるという。

MISTCODE

また帳票 ID を埋め込むことで、手書き帳票の管理や、異なるアンケートの自動集計などに利用することも可能。

利用方法は、対象の電子文書に、電子文書IDとその文書を特定するためのコード情報を紐づけてデータベースに登録し、コード情報を画像データに変換し、コード画像を作成する。そして、電子文書の背景にそのコード画像を合成し、紙に出力コード画像(MISTCODE)が合成された紙文書を複合機でスキャンして電子化する。スキャンされた電子文書を解析し、文書の背景に埋め込まれたコード画像を取り出し、コード情報を復元。コード情報に紐づけられた電子文書IDをデータベースに問い合わせることで、プリント出力した電子文書を特定できる。

MISTCODE作成と利用方法

MISTCODEは、電子透かしのような低視認性コードのため、既存の文書や帳票フォーマットのレイアウトを変えずに、画質を損なうことなく情報を埋め込むことが可能だという。