森ビルの関連団体である森記念財団・都市戦略研究所は16日、2013年版「世界の都市総合力ランキング」を発表した。それによると、東京の総合順位は2008年の評価開始以来、6年連続4位となった。

同ランキングは、世界の主要40都市について、都市の力を表す主要6分野「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」における70の指標と、現代の都市活動を牽引する5つのアクター「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」「生活者」の視点に基づき、複眼的に都市の総合力を評価したもの。

総合ランキングの1位はロンドン、2位はニューヨーク、3位はパリ、4位は東京となり、トップ4都市の順位は昨年と同じ結果となった。以下、5位はシンガポール、6位はソウル、7位はアムステルダム、8位はベルリン、9位はウィーン、10位はフランクフルトと続いた。

分野別総合ランキング(出典:森記念財団Webサイト)

4位の東京は、「経済」「環境」の2分野で1位を獲得したほか、「交通・アクセス」分野の都市内交通サービスでも高評価を受けた。一方、「文化・交流」分野の集客資源、「居住」分野の居住コストなどでは低評価だったほか。偏差値70以上の強みを有する指標がトップ4都市の中で9つと最も少なかった。

全体の傾向を見た場合、1位のロンドンは居住分野でスコアを下げたものの、「経済」「研究・開発」「環境」各分野でスコアを上げ、結果的に2位のニューヨークとの総合スコアの差は拡大した。また、3位のパリと4位の東京は大きくスコアを落として2位のニューヨークとの差は広がった一方、4位の東京と5位のシンガポールとのスコア差は縮小した。

なお、東京とパリのスコア差は昨年より縮まっており、「東京での五輪開催決定を追い風に3位へのランクアップの可能性が出てきている」という。

総合ランキング5位以下について見ると、6位のソウルが5位のシンガポールとの差を大きく縮めたほか、10位のフランクフルト(昨年12位)、9位のウィーン(昨年10位)の順位上昇が目を引いた。このうち、フランクフルトは「環境」「交通・アクセス」の2分野が伸び、トップ10入りを果たした。

中国の都市では、12位に上海、14位に北京がランクイン。いずれも経済分野での成長が著しく、特に北京は「経済」分野において、順位は昨年同様3位となったものの、同分野1位の東京、2位のニューヨークがスコアを大きく落としている中、スコアを上げた。上海は、「文化・交流」「交通・アクセス」分野でスコアが大きく伸長し、総合ランキングで北京を上回った。