東京電力は10日、福島第1原子力発電所の港湾内で9日に採取した海水を測定したところ、放射性セシウムの濃度が8日に採取した値と比べて約13倍に上昇したと発表した。

採取場所は2号機取水口の前で、外洋と港湾内を仕切っているシルトフェンスの内側と外側。このうち、内側で採取した海水から、セシウムが1リットル当たり1,200ベクレル(セシウム134が同370ベクレル、セシウム137が同830ベクレル)、外側で採取した海水から、セシウムが同227ベクレル(セシウム134が同67ベクレル、セシウム137が同160ベクレル)検出された。

なお8日には、同地点のシルトフェンス内側で採取した海水から、セシウムが1リットル当たり90ベクレル(セシウム134が同26ベクレル、セシウム137が同64ベクレル)、外側で採取した海水から、セシウムが同106ベクレル(セシウム134が同32ベクレル、セシウム137が同74ベクレル)検出されている。

同社はセシウム濃度の上昇について、2011年に高濃度汚染水が流出した2号機取水口付近で地盤改良工事を行っている影響によるものと推測。今後も引き続き傾向を注視していくとしている。