STMicroelectronicsは、フィルタ・保護・整合機能を小型サイズで構成できることに優位性を持つ集積型受動・保護デバイスの新ファミリを発表した。

今回発表された新ファミリは、急峻な電圧サージによる破壊から回路を保護する、表面実装パッケージ01005に搭載される小型シングル・ライン過渡電圧サプレッサ(TVS:Transient-Voltage Suppressor)「ESDAVLC6-1BV2」、ならびに0.55mm厚の薄型パッケージながらESD保護機能を内蔵したコモンモード・フィルタ「ECMFファミリ」5品種、集積型受動デバイス(IPD:Integrated Passive Device)としてワイヤレスソリューションの基板を最大90%削減することが可能な小型高周波バラン「BAL-NRF01D3」などとなっている。

これらの製品は、優れた品質・信頼性・工程管理を特徴とする半導体プロセスを使用して製造されるため、同等のディスクリート・デバイスに比べて高い性能を発揮することが可能。また、金属酸化物バリスタ(MOV)、低温焼結セラミック(LTCC)および汎用受動部品などの従来部品と比較して、部品定数の許容差をより狭く、時間経過による変化をより小さくすることが可能であり、これによりユーザは製品の品質とブランドの認知度を高めることが可能になると同社では説明している。

なお、BAL-NRF01D3は5端子フリップチップ・パッケージですでに量産出荷を開始しており、単価は5000個購入時に約0.18ドル。また、コモンモード・フィルタであるECMF02-2BF3も量産中とのことで、こちらは1000個購入時に0.16ドル。ESDAVLC6-1BV2(TVS)の単価は1000個購入時で約0.10ドルとなっている。

STの集積型受動・保護デバイスの新ファミリのパッケージイメージ