STMicroelectronicsは、デジタル信号入力対応・アイドリングストップ機能付きの車載用オーディオ・パワー・アンプ「TDA7802」を発表した。

同製品は、従来の高効率モードであるSB級以上の効率を実現し、AB級アナログ・アンプと比較して最大50%の熱損失を低下させることが可能な「SB-I(SB-Improved)級」を搭載し、デジタル信号入力が可能にする高い性能を実現したもので、停車中にエンジンを停止させることで無駄な燃料消費や排気ガスを抑えるアイドリング・ストップ機能など、エコカーの先端技術に対応するために設計された製品ファミリの1つ。

エンジンの再始動で供給電圧が降下した場合でも音が途切れることなく動作することが可能なほか、デジタル信号入力はデジタル・サウンド・プロセッサに直接接続できるため、外付けのDAコンバータとローパス・フィルタを不要にすることが可能なため、これにより周辺回路の部品点数とそれに伴うコストの削減と、よりクリアなサウンドの両立が可能になる。また、電磁的な干渉にも強く、携帯電話などの機器との共存性も向上させることが可能だという。

また、4チャネル・アンプを搭載しており、駆動可能な最小インピーダンスは1Ω。高いノイズ特性により、アンプ出力でのSN比115dBのSN比とダイナミック・レンジ110dBを達成しているほか、各種保護回路の内蔵により、スピーカの各種ショートからデバイスを保護し、自己診断機能による断線などの診断も可能となっている。

なお、同製品はPowerSO36パッケージ(表面実装型)またはFlexiwatt27パッケージ(スルーホール型)で提供されており、単価は1000個購入時で約7ドルとなっている。

STの車載用オーディオ・パワー・アンプ「TDA7802」のパッケージイメージ