日本整形外科学会は、骨・筋肉・関節などの大切さと認知向上を目的に、毎年10月8日を「運動器の10年・骨と関節の日」と定め、全国で講演会や医療相談などを開催している。今年の9月12日は、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の説明会を行ったという。

ロコモとは、骨・筋肉・関節など運動器の障害が原因で移動能力が低下し、介護が必要なった状態や今後介護が必要になる危険が高い状態のこと。これらの疾患を持つ人は、全国で4700万人になると推定されている。

名戸ヶ谷病院(千葉県柏市)の大江隆史院長は、「団塊世代が75歳以上となり、ロコモ対策は喫緊の課題。運動器の機能維持や強が一層求められている」と説明している。

また、大江院長は「社会の利便性向上や生活習慣の変化により運動機会は減少している」と指摘。20~50代の男女計3000人を対象にしたネット調査によると、日常生活で階段よりもエスカレーターやエレベーターを使うとの回答は過半数を超えたほか、1km程度の距離でも車バイクで移動するとの回答が4割を占めたという。

ほかにも、同学会では年齢相応の移動能力があるか判定できる「ロコモ度テスト」を作成し、テストが掲載されたパンフレットを全国の自治体などに配布するなど、ロコモ予防啓発活動を推進していく。

ロコモ度テストでは、脚力を測る「立ち上がりテスト」、歩幅を調べる「2ステップテスト」、生活状況などを調べる「ロコモ25」で構成される。