富士フイルムは10月3日、フィルムの発色濃度によって、4~6000mJ/cm2の幅広い範囲で紫外線の光量分布を簡単に可視化できる紫外線光量分布測定フィルム「UVスケール」3種類を10月10日より発売すると発表した。

タッチパネルと液晶パネルを貼り合せるための光学樹脂の硬化工程、食品包装材料の殺菌工程など、さまざまな製造現場で紫外線(UV)が使用されている。紫外線の光量を測る方法として照度計があるが、照度計は1点ごとの紫外線量を測ることしかできないため、紫外線が対象物にむらなく照射されているかなど、照射面全体の紫外線量を測定することが困難だった。

同製品は、独自のマイクロカプセル技術や発色制御技術などを駆使したもので、紫外線の積算光量に応じて発色濃度が変化し、対象物の面全体に均一に紫外線が照射されているかを目視で確認することができる。これにより、1点ごとに測る照度計と比べて、検査時間を短縮することができ、作業効率の向上に寄与する。さらに、フレキシブル性に優れた薄いフィルム形状であり、必要な形や長さに切り取って対象物に置くだけで紫外線の光量分布を測ることができる。このため、従来困難だった曲面部分の紫外線量の測定が可能となる。また、対象物が動いている場合や検査スペースが限られている場合でも、簡便に紫外線の光量分布を測ることができる。

フィルムには、支持体に感光層と白色層が設けられている。発色の濃さが受けた紫外線の光量に対応するため、受光面の光量分布を簡単に調べることができる。紫外線により、マイクロカプセル中の発色剤が反応することで発色する

使用方法。(1)必要な形や長さに切り取った「UVスケール」を測定したい部位に置く。(2)装置・機器を稼働させ、紫外線を照射する。(3)紫外線光量に応じて「UVスケール」が発色する。(4)「UVスケール」を取り出し、発色分布から紫外線光量分布を目視で測定する