アットマークテクノは9月26日、組み込みプラットフォーム「Armadillo-840」向けに、フルHDに対応したH.264動画の再生を実現する「AVコーデックミドルウェア」を発表した。

「AVコーデックミドルウェア」は、「Armadillo-800」シリーズでマルチメディア処理(H.264動画・AAC音声の変換処理)をスムーズかつ効率的に行うためのミドルウェアとなっている。「Armadillo-800」シリーズに搭載されているアプリケーションプロセッサ「R-Mobile A1」には、「ARM Cortex-A9」の他、リアルタイム制御用のサブCPU「SH-4A」とハードウェアコーデック(ビデオサウンド用)が含まれている。今回の「AVコーデックミドルウェア」は、このサブCPUとハードウェアコーデックを使うことで、マルチメディア処理をスムーズに実行させることができる。

現在、PCで一般的に使用されているH.264の動画処理は、CPUに非常に大きな負荷がかかる。PCより省電力で処理能力の低い組み込みプロセッサ上でリアルタイムな動画処理を実現するためには、負荷に起因するCPUパフォーマンス低下の影響で、大がかりなソフトウェアチューニングが必要だった。「AVコーデックミドルウェア」を使用した場合、リアルタイム性が必要な処理はサブCPUとハードウェアコーデック上で実行されるため、メインCPUにはほとんど負荷がかからない。このため、メインの機能のパフォーマンス低下を気にせず動画機能を実現でき、ソフトウェアチューニング作業なども不要になるので、開発作業の効率化につながるとしている。

また通常、動画処理の実現のためには、組み込みプロセッサメーカーとの契約締結が必要となる。特に、少量生産の場合には、その契約コストが足枷となる場合もあった。そこで、プロセッサメーカーとの個別契約なしに「Armadillo-800」シリーズで動画再生機能を実装できる「AVコーデックミドルウェア」の提供を開始したという。デジタルサイネージ端末や券売機、店舗情報端末などのマルチメディア機能対応組み込み機器を少量生産で実現したいという場合でも、製品化・量産時に「Armadillo-840」をそのまま組み込んで機器を実現することができる。

今回、「AVコーデックミドルウェア」の第1弾として、画面表示機器に適した組み込みプラットフォーム「Armadillo-840」向けにデコーダ機能の評価版の提供を開始し、フィールドでの運用テストを完了した後に、デコーダ機能の正式版を提供する予定。また、第2弾として、2013年末にはインテリジェントカメラ向けプラットフォーム「Armadillo-810」および「Armadillo-840」向けのエンコーダ機能も提供する予定としている。

アットマークテクノの組み込みプラットフォーム「Armadillo-840」