ノークリサーチは9月27日、2013年の国内中堅・中小市場における「運用管理/資産管理」の利用実態およびユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

同調査の対象は、日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業の情報システムの導入や運用/管理の作業を担当/情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有して社員に対して、2013年7月に実施したもの。有効効回答件数は1400社。

年商500億円未満かつ運用管理/資産管理を導入済みの中堅・中小企業に対し、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」を尋ねた結果(導入社数ベースのシェア)、2013年のシェア1位~3位の順位は、「JP1」単体でのシェアは16.8%、「Systemwalker」のシェアは17.8%。単体では「Systemwalker」が僅差で最も多くなっているが、「JP1およびHitachi IT Operations」の合計シェアは19.2%で日立製作所の製品が首位となった。

「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」出典:ノークリサーチ

シェア1位~3位の製品それぞれの導入状況を見てみると、「JP1」は年商50億円以上の中堅企業層での導入が比較的多く、「Microsoft System Center」は年商20億円未満の中小企業層での導入が比較的多い。「Systemwalker」については年商500億円未満の幅広い年商帯で導入されている。

「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの(年商別)」出典:ノークリサーチ

今後、中堅・中小企業における運用管理/資産管理の取り組みを左右する要因の一つとして「サーバ仮想化の普及」が上げられ、サーバ仮想化は中堅・中小企業でも活用が進みつつあり、サーバ付属の管理ツールでも仮想化環境の管理をある程度行うことは可能ではあるが、運用管理の負担軽減やシステムの安定稼働といったサーバ仮想化がもたらすメリットを十分享受するためには統合的な管理ツールの活用が不可欠となってくると同社では分析している。

また、「導入済みの製品/サービスのうち最も主要なもの」の端末環境を尋ねた結果では、「スマートフォン」が2012年の4.5%から9.8%、「タブレット型端末」については2012年の5.0%から5.6%となり、スマートフォンの増加が目立つ。これは、スマートフォンに関しては社員が個人で所有する端末を業務でも利用する「BYOD」が注目され、モバイル端末を適切に管理するMDM(Mobile Device Management)への取り組みを模索するユーザ企業が増えたことが要因の一つとして考えられている。

「最も主要な製品/サービスを利用する際の端末環境(いくつでも)」出典:ノークリサーチ