シャープは9月26日、空気中を浮遊する細菌やカビ菌などの微生物の量を短時間で自動計測する微生物センサ「BM-300C」を開発し、2013年10月より法人向けに販売を開始することを発表した。

食品加工や医薬品製造の現場では、空気中の微生物による汚染を防止するために、微生物量を継続的に測定する環境モニタリングが求められている。現在、微生物の検出には、シャーレに微生物を培養してモニタリングする培養法が一般的だが、熟練者の手作業により数日~約1週間を要するため、リアルタイムに正確な微生物量を把握することが困難な状況であった。

同製品は、計測するエリアの空気を吸引した後、検出対象となる微生物を抽出。独自手法を加えた蛍光検出法により、微生物量を約10分で自動計測するというもの。連続計測にも対応しているため、微生物量の経時変化をモニタリングすることも可能だという。

また、同センサを複数設置し、同時に自動計測したデータをパソコンで一括管理する「多点一括計測」も可能であるため、工場内に複数台設置し、微生物量の経時変化を計測・管理。微生物量に異常値が発生した際に、汚染源を迅速に特定するといった、細やかな環境モニタリングを実現することが可能となっている。

さらに、スマートフォンなどのユーザ端末から微生物量を管理するパソコンにアクセスすることで、計測データを閲覧することが可能となっているため、どこに居ても外部から環境モニタリングの情報をタイムリーに把握することが可能となっている。

なお、電源は基本的にはACアダプタを利用するが、オプションでバッテリーを用意。それを用いることで、約16時間の独立運用が可能だという。

シャープが開発した微生物センサ