サン電子は9月26日、高速パケット通信可能な3Gモジュールを搭載した、小型・低価格を実現したM2Mルータ「Rooster RX」を開発、2013年10月23日より出荷開始することを発表した。

同製品は、u-blox製通信モジュール「LISA-U200」を内蔵し、FOMA網を介して上り5.7Mbps/下り7.2Mbpsの高速パケット通信を実現することが可能なM2Mルータ。「ユーザーからのニーズが高かった機能を色々と詰め込んだ」と同社では説明しており、その中の1つとして従来のM2Mルータシリーズ「Rooster-Hシリーズ」と比べ、サイズを70%程度に小型化を果たしている。

また、有線機能も強化が図られており、フレッツ光などの有線回線や、VPN機能(IPsec、PPTPサーバ)に対応することで、高セキュリティなネットワーク構築を可能としている。

また、従来は12V電源対応のみであったものを、新たに5/12/24Vの各電源に対応。これにより搭載可能機器の拡大が可能となった。また、電力制御の見直しにより、従来品(Rooster-H100)比で消費電力を70%低減したほか、3G通信を行っていない待機時には、システムをスリープさせる「おやすみモード」を搭載。これにより、非通信時の消費電力は0.3Wまで低減させることが可能となった。

さらに、電波状態による通信エラーなどを防ぐため、定時リセット設定や、死活監視など、自己復帰が可能な機能「ASC(Automatic Stable Connection)」を搭載。これにより無人環境下でも安定した運用を可能としたほか、リモートから、Rooster RXのコンフィグ設定を行うオートコンフィグや、ファームウェアのバージョンアップ、ログの回収などが可能な遠隔管理サービス「SUNSYNC」機能も搭載。同機能は、Rooster RX自身の筐体内部温度・供給電源電圧の監視も可能となっている。

この他、ログを保存するためのフラッシュメモリ(2MB)が搭載されたほか、適用温度範囲も-20℃~+60℃までとなっており、過酷な環境下でも利用が可能となった。また、メインボードと各種インタフェースを搭載可能な拡張ボードの2枚構成を採用しているため、今後リリースが予定されている、Wi-FiやZigBee、GPSなどのボードを搭載した形での利用も可能になるという(Wi-Fi対応版は2013年度末までに提供予定としている)。

なお、同製品の価格は従来のRooster-Hシリーズが5万円程度であったが、市場想定価格としては3万円台としており、かなり割安感を持って購入を検討してもらえるのではないかと、期待を見せている。

Rooster RXの外観。兄弟機となる同社のM2M Linuxゲートウェイ「Rooster GX」はメタリックゴールドであったこともあり、Rooster GXにはメタリックシルバーが採用された。ちなみに有線ポートはLANとWANとなっているが、WAN側は2番目のLANポートとしても利用が可能だという