採用充足率(全体)

採用充足率(新卒全体) 業界大分類別

マイナビは、国内企業2,057社を対象に「2014年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」を実施した。調査期間は8月1日~30日。

前年の入社実績数と同程度の内定者数を確保

調査時点での採用充足率は、新卒全体で85.0%(対前年比+1.2pt)となりほぼ前年並みだった。上場企業では93.4%(対前年比+3.1%)とやや上昇し、業界別では「金融(95.6%)」、「小売(93.9%)」で高い値となっている。

募集人数及び内定者数の前年入社実績人数比

また、今年度の「募集人数平均」および「調査時点の内定者数平均」を、昨年度の「入社実績数平均」と比べたところ、全体で約1割増(+11.0%)の採用数を目指して募集を実施。ほぼ前年入社数並(-1.2%)の内定者数を確保していることがわかった。学生にとって、就職環境はかなり改善していると考えられる。

内定者数対前年入社実績人数比 業界大分類別

なお、「金融」、「小売業界」の内定者数は、すでに前年入社数を1割以上(金融:+11.0%、小売:+15.2%)超えているという。

内定者への満足度 総合評価 業界大分類別

内定者への満足度では、「質・量ともに満足」の割り合いが総合評価で37.4%(対前年比-1.8pt)と4年連続で減少。業界別では、ともに充足率が高かった「金融(46.1%)」と「小売(24.1%)」で明暗が分かれる結果となった。

採用活動「厳しかった」が9割。理由は「母集団の確保」「辞退の増加」

採用活動の印象(総合評価)

「厳しかった」と回答した理由

採用活動の印象は、総合評価で「厳しかった」(「前年より厳しかった(36.2%)」と「前年並みに厳しかった(49.9%)」の合計)という回答が86.1%となり、対前年比+4.0ptの上昇。厳しかった理由としては、「母集団の確保(51.9%、対前年比+7.5pt)」がトップとなり、ここ4年間トップだった「学生の質の低下(44.5%、対前年比-4.4pt)」は2番目となっている。

また、上場企業では「母集団の確保(49.8%、対前年比+12.4%)」と「辞退の増加(43.8%、対前年比+7.0%)」が目立って増えた。

「厳しかった」と回答した理由(業界大分類別)

業界別では、「セミナー動員」を挙げた割り合いで大きな差が表れており、「小売(49.2%)」、「ソフトウエア・通信(45.9%)」は、全体(33.8%)より10%以上高い値となっている。

6割超が、次年度は「今年度より厳しくなる」と回答

次年度の活動採用について

次年度の活動採用について(業界大分類別)

次年度の採用活動については「今年度より楽になる」、「非常に楽になる」と回答した企業はほぼみられない(0.5%、対前年比-0.6pt)。一方、「今年度より厳しくなる」、「非常に厳しくなる」と回答した企業は、60.4%(対前年比+15.8pt)。業界別では、「小売(72.5%)」、「商社(67.0%)」で「厳しくなる」の割り合いが高くなった。

次年度の採用数について

次年度の採用数について(業界大分類別)

次年度の採用数では、「増やす(大幅+多少)(13.3%、対前年比+2.2pt)」が「減らす(大幅+多少)(9.7%、対前年比-2.1pt)」を上回ったものの、約8割の企業は「今年度並み(77.0%、対前年比±0.0pt)」と回答。業界別で「増やす」が「減らす」を大きく上回ったのは「小売(増やす20.8%>減らす7.4%)」、「ソフトウエア・通信(増やす17.5%>減らす4.6%)」だった。

次年度最も重点を置く採用フェーズ

次年度最も重点を置く採用フェーズでは、「母集団の形成(エントリー)(28.9%、対前年比+3.9pt)」が最多となり、特に上場企業(30.9%、対前年比+6.9pt)で増加幅が大きい。

重点を置く採用手法(業界大分類別)

また、重点を置く採用手法については、「学内セミナー(57.6%、対前年比+8.8pt)」、「特定学校への訪問(41.9%、対前年比+6.4pt)」が大きく増加。上場企業ではこの2つに加えて、「リクルーターやOB・OGの活用(30.1%、対前年比+6.5pt)」の増加も目立ったことから、同社では「ターゲット校を定めて採用に力を入れようとする意図がうかがえる」と分析している。