東芝は9月25日、液晶テレビ「レグザ」の新シリーズ「Z8」「J8」を発表した。いずれも、55V型/47V型/42V型の3サイズがラインナップされる。発売は11月上旬。価格はオープンで、推定市場価格は、Z8シリーズの「55Z8」が260,000円前後、「47Z8」が210,000円前後、「42Z8」が160,000円前後、J8シリーズの「55J8」が220,000円前後、「47J8」が170,000円前後、「42J8」が120,000円前後となっている。

「Z8」シリーズ(左)と「J8」シリーズ(右)

「Z8」「J8」シリーズは、2012年10月に発売した「Z7」「J7」シリーズの後継モデル。同社では2013年6月に4K対応の「Z8X」シリーズをリリースしているが、2K(HD)モデルとしては「Z8」シリーズがフラッグシップモデルとなる。

液晶パネルはすべてIPSで、バックライトは自社開発の直下型だ。パネルの開口率が従来よりも上げられており、輝度は75%向上した。また、画面内の明暗によってバックライトを分割制御する「ダイレクトエリアコントロール」によって、コントラストも向上。これまでのテレビでは表現しにくかった太陽光の下での風景の強烈な明るさを再現できる。LEDバックライトの広色域化によって、表示可能な色域を拡大。放送では圧縮されている映像から、本来の色調を復元して表現する。さらに、ダイナミックレンジの拡大により、白領域での表現力が向上。撮影時に圧縮された白領域を復元し、オリジナルに近い階調を再現することが可能だ。映像エンジンは「レグザエンジンCEVO Duo」を搭載。3次元フレーム超解像技術を採用した「レゾリューションプラス7」も採用されている。

映像エンジンの「レグザエンジンCEVO Duo」

オーディオ面でも強化が図られている。「Z8」「J8」シリーズは狭額フレームを採用するモデルで、スピーカーはインビジブルタイプだ。スピーカーの開口部はフレームの下側に設けられている。このような不利な条件ではあるが、新開発した「ラビリンスバスレフ型BOX」と「高能率&広帯域スピーカー」「レグザサウンドイコライザープロ」によって、迫力のあるサウンドを実現。とくに、サウンドイコライザープロでは、可聴帯域を501バンドに分割してイコライジング。また、従来のイコライザーでは帯域を等間隔にスプレッドして処理していたが、レグザサウンドイコライザープロでは、再生音に影響が大きい低域をより細かく分割してコントロール(7Hz幅)。映像に見合ったサウンドの表現力を身に付けている。

「ラビリンスバスレフ型BOX」

2シリーズの違いは、「Z8」シリーズが、指定したチャンネルの全番組を一定期間保存する「タイムシフト」機能に対応しており、「J8」シリーズが対応していない点だ。「Z8」シリーズでは、地上デジタルチューナーを9基、BS/110度CSチューナーを2基搭載。「J8」シリーズは地上デジタルチューナーを3基、BS/110度CSチューナーを2基搭載している。「Z8」シリーズの「タイムシフトマシン」は、地上デジタル放送だけでなく、BS/CSデジタルにも対応した。さらに、外付けHDDを接続すると、「タイムシフトプラス1」として、設定した1チャンネルを約11日分(3TBのHDDでBS/CSは274時間、地デジは388時間)、フルで録画することが可能だ。

「Z8」シリーズ用のタイムシフトマシンハードディスク

スマートフォンとの連携も強化。Androidアプリの「RZボイスリモ」では、音声で、録画されている番組、これから放送される番組、YouTubeなどのネットコンテンツからシームレスに検索を行うことができる。