Q.日本に住んでいて「これは近未来的なデザインだ」と感じたことはありますか?

"日本らしさ"といえば、「富士山」、「着物」、「寿司」のような"伝統的"なものを想起しますが、日本、特に東京に実際に暮らしてみると、多くの先進的なビルが立ち並んでいるなど、他の国の都市と比べて"近未来的"なイメージを思い浮かべることも多いのではないでしょうか。

アジア近隣の国に出かけてみると中心地にちらほらとモダンな建物が見られる場合もありますが、東京のようにそれがあちらこちらに点在し、さらに一つひとつが洗練されたデザインであるという街は少ないように感じられることがあります。

日本で暮らす外国人の方々はそうした新しい"日本らしさ"ともいえる、"近未来的なデザイン"を日本の街中で感じ取ることはあるのでしょうか。日本在住の外国人20名に、「これは近未来的なデザインだ」と感じたことはありますか? という質問を投げかけてみました。

■スカイツリー(チュニジア/40代後半/男性、台湾/40代前半/男性)
■スカイツリーや、高層ビル全般(オランダ/30代前半/男性)

2012年5月に全高634mと世界で最も高い電波塔として東京都墨田区に開業した、「東京スカイツリー」の名を挙げる方が続出。2013年5月20日に来場者数が634万人を突破したことで話題になりましたが、すっかり東京の新名所として定着しつつあることが伺えます。

スカイツリーのシルエットは、伝統的な日本建築などにみられる「そり」や「むくり」を意識して作られているそうです。そんな伝統的な美しさと、最先端のテクノロジーが合わさって生まれたのですね。ちなみに、オランダ出身の男性は、「母国では街によっては高層ビルの建設ができないため」とも回答しています。そうした国や地域ごとに異なる規制も、その国のイメージに影響を与えるのですね。

■学校法人モード学園(韓国/30代後半/女性)

こちらも東京を代表する高層ビルで、西新宿エリアのランドマークです。学校法人モード学園が朝日生命保険本社跡地に建設した超高層ビル「モード学園コクーンタワー」は、コクーン(繭)をイメージした斬新なデザインが特徴。設計は、西新宿では「東京都庁舎」、「新宿パークタワー」などを手がける丹下都市建築設計。「創造する若者を包み込み、触発させるインキュベーション空間」がコンセプトです。

■デパートで、タッチパネルで地図・案内情報を見たとき、これはさすが未来だと感じた(イラン/20代前半/女性)

最近でこそスマートフォンやタブレット端末が浸透し、タッチパネルが身近な存在になってきましたが、海外では、商業施設で利用するのに十分な大きさの画面で、かつ操作性の良いものはまだあまりないのかもしれません。

■駅で買うお弁当で、ひもをひっぱるとあたたかくなるやつ。(マリ/30代前半/ 男性)

駅弁などに用いられているものですね。初めて使ったときは驚いたという方も少なくないのでは。あの加熱式弁当は、2段構造になっています。上段にはお弁当、下段には水の入った袋と細かい生石灰が入っています。紐を引っ張ると水の入った袋が破れ、水が生石灰にかかり、その際に発熱するという仕組みです。

マリ出身の男性は、「ポータブル電子レンジみたいで本当にすごいです。外国人は冷たいお弁当が好きでない人が多いからすばらしいと思います」とコメント。海外でも似たようなお弁当箱があるのか気になりますね。

普段見慣れてしまうと、建物にしてもプロダクトにしても、どうしても驚きを感じづらくなってしまいます。外国人の方の視点に立って日本を見直してみると、おもしろい発見に出会えそうですね。