島津製作所は9月18日、整形外科分野の手術用途向けに外科用Cアーム型X線TVシステム「OPESCOPE ACTENO」を発表した。

外科用Cアーム型X線TVシステムは、手術室や救急室において患部の位置や状態をリアルタイムで把握するために用いられることから、手術の進行を妨げない高い操作性が求められている。今回、クリーンでポジショニングがしやすい装置として、医療現場の要望に基づいて画質、被ばくの低減、操作性などを進化させた「OPESCOPE ACTENO」を開発したという。

同製品は、空間分解能1024×1024マトリクス、濃度分解能12ビットの高精細、高コントラストを実現する有効画素数100万画素のCCDカメラを採用。また、フィルタ処理で、ハレーションや重なりによる黒潰れを改善し、自然な濃淡表現と細部まで識別できるシャープな透視画像を提供する。これらにより、術中のターゲットやデバイスなどをクリアに観察することができ、術者による関心部位の的確な把握を支援する。

さらに、臨床ニーズに合わせて、本体のコンパクト性を保ちつつCアームの開口78cmのワイドCアームを採用した。Cアームには、完全バランス方式を採用し、手術台などとの接触を避けつつ、術者が観察したい位置に完全手動で素早くかつ確実に動かすことができる。また、Cアームを固定する電磁ロックの解除スイッチを、台車側にある操作パネルに加えて、オプションによりCアーム先端に搭載されているイメージ管側にも設けることができ(ドクターハンドル)、術者側よりCアームを動かすことも可能。これらにより、軽快で自在なポジショニングを実現、手術時の素早く的確なX線透視画像の提供に寄与する。加えて、撮影条件などを設定する操作盤には視野角の広いワイド液晶タッチパネルを採用し、見やすい表示とともに簡単操作を実現しており、またオペレーターに合わせて「シンプル」、「エキスパート」のように表示をカスタマイズする機能も搭載している。

この他、X線を断続的に照射する「パルス透視機能(最大15パルス/秒)」や検査部位に合わせて画像に寄与しない不要な軟X線をカットするBHフィルタを、3種類より自動挿入する機能、ラストイメージホールドされた画像を利用して、モニタ上でカメラの回転角度とコリメータ領域を設定できるバーチャルコリメーション機能などの採用により、高画質を保ちながら患者に照射されるX線を必要最小限に抑えることができる。

なお、価格はシステム構成により異なるが2000万円(税別)。発売から1年間で300台の販売を計画している。

島津製作所の整形外科分野の手術用途向け外科用Cアーム型X線TVシステム「OPESCOPE ACTENO」